「天元突破グレンラガン」を見た

天元突破グレンラガン1 (通常版) [DVD]

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やーっと全部見ました。長いこと途中で止まったりもしていたのですが、終盤は駆け足で一気に見てしまった。ほとんどいい評判しか聞いてなかったのですが、やっぱりとても面白かったです。
ガイナックスの作品は、ついつい深読みしたくなってしまうものが多い気がするのだけど、このグレンラガンを「エヴァンゲリオン」や「トップをねらえ!」、そして他のロボットアニメと重ねて見るということは別に飛躍ではないと思う。
わたしは「フリクリ」を見たときに、鶴巻監督のエヴァに対するアンサーだと思ったし、それは「トップ」から「トップ2」においても、土台に対する尊敬と、それを打ち砕いて新しいものを作ろうとする強い方向性を感じた。そしてそのような方向性は、この「グレンラガン」にも色濃く感じられる。

冷めた態度をとることで自分を守っていた主人公が、子どもである自分自身を認める物語が「フリクリ」だったとしたら、自分を信じることへと繋げるのがグレンラガンだったような気がする。
それは主人公、シモンが「アニキ」と慕うカミナの台詞によく現れている。「お前を信じるオレを信じろ」とシモンを鼓舞したカミナは、最後に「お前の信じるお前を信じろ」と言う。
エヴァンゲリオン」に代表されるような、自意識との戦いや、諦念を描いた物語は多くの人の支持を得たけれど、その後はその「諦念」を認める物語や拘泥からの脱却といったテーマが増えていったような印象があって、個人的にも、それを長いこと引きずっていたような気がする(だからこそ「序」を見たときに、ミサトさんに感情移入してる自分に気づいて感慨深かったりもしたんだけど)。
しかし、「グレンラガン」では大見得切って正論言っても、登場人物の誰もそれを恥ずかしがったりしない。
ここで提示されるのは、内にこもる物語ではなく、先が分からなくても自分で選んだものを選ぶという物語だった。
自分を信じるということは、自分に期待するということだ。他の誰でもない、自分が自分の期待に応えなくてはならないという重さに正面からぶつかっていくのが「グレンラガン」だったと思う。しっかり生きて、その先も生きて、死ぬのはその後だ。ラストシーンはそんなメッセージのように感じました。
ほんと力強くて、最高に面白いアニメでした。
螺巌編公開前に紅蓮編見なきゃ…!!

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