ほしのこえ

ほしのこえ (KCデラックス アフタヌーン)ほしのこえ [DVD]



新海監督の「ほしのこえ」を知ったのはたしかMANGAZOOのサイトでだったと思うけど、とにかく最初は「これを一人で作ったのか!というか作れるのか!」という驚きが先行していて、技術的な部分ばかりに注目してしまっていたところがあると思う。
実際に作品を見た時に感じたのは、とにかく光の使い方が独特だなということ。背景や着色をPhotoshopで行っているとインタビューで読んだんだけど、そのせいかいつも目にするセルアニメとは異なる質感が印象的にのこった。
しかし何より感慨深かったのが、監督自身が声をあてていること。*1プロでないがゆえの素朴な声が、あの作品にとてもあっていると思った。
そして、そのことを、今日「ほしのこえ」の佐原ミズさんによるコミック版を読みながら、再確認した。
そもそも「ほしのこえ」は「切なさ」の塊みたいな話だ。長編だったら、一番もりあがる「次週最終回!」といった感じ。アニメ版は25分という短さのせいか全体的に詩を読んでいる様なたんたんとした雰囲気だったけれど、この漫画はその物語として足りないところを補っている加減がとても良かったです。物語の背景、というよりは主人公達の心の動きを特に丁寧に描写してくれた漫画化だと思う。佐原ミズさんの絵も、やさしい感じで、イメージにあっていて良かった。
電車の中で読んでいたら、思わず泣けてしまう場面がいくつもあってやばかった。けど花粉症のふりしてごまかしてみた。
そしてアニメでも使われていた台詞、漫画では最初と最後にでてくるあの台詞が耳元に鮮明によみがえってさらになんだか切なくなった。最初から最後までせつない話。

*1:プロの声優さんが声をあてたバージョンもあるらしいですが、それはみたことがありません。