the young machine/her space holiday

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ichinics2005-09-13
新譜について書きたいんだけど、折角4thについて書いたので順番に。
4thがずっと手もとにない状態だったので、5thを聴いた時、4thの記憶も上書きされて「ブレイクビーツ寄りの音から、ダウンテンポアンビエント風ポップになった」なんて捉え方をしていた。
でもこうやって改めて両方の作品を聴き比べてみると、彼の作りだしている音は一貫して、ポップ(受け取りやすいという意味で)であり、その世界観はメランコリックだと感じる。ストリングスとリズムマシンが際立つ音作りであることはこの「the young machine」にも言える事だと思うのだけど、4thがストリングスを多中心とした音作りが目立っていたのに比べ、今回はそのストリングスよりもリズムマシンとシンセが全面に出ているなという印象。
それでも無機質な印象はなく(タイトルにもmachineという言葉が入っているのにも関わらず)非常に生々しさを残した音だ。気持ち良く波にゆられていたら、たまにザブンとくる感じがあるのも面白い。
ライナーの中に、楽曲製作プロセスについてのインタビューがあり「各曲は全てリミックスのように作られてる。すごくルーズで、構築されてない」と語っていたけれど、もしかしたら、そのラフさの中に生の部分があるのかもしれない。それと、声かな。#6を聴いて、彼のボーカルのつけかたはちょっとE(eels)に似ているな、と思ったりしたけど、#5や#10のため息まじりにはクリエイション(レーベルのほう)の匂いを感じたり*1
#7は特に素晴らしくて、このアルバムを買った当初はこの曲ばかり聴いていた。
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ところでライナーの写真をみて、Marc Bianchiさんはちょっとアート・リンゼイに似てるかも、なんて思いました。が、私の似てるは大抵否定されることが多いので似てないかもしれないです。

*1:ほんとはもっと近いものがあったと思うんだけど今思い付けない