願い事について考えている。
うまはきゅうりのさらだをたべない、というのはムッシュ・ムニエルの呪文、他にも「すぱかりふらじりすてぃっくえくすぴありどうしゃす」というメリーポピンズの呪文とか、幼い頃の私は、呪文を覚えるのが好きだった。例えば、もしランプの精とでくわしたら、何を願おうか、なんてことを、考えるのと同じように、いつこの呪文を使おうか、って考えるのが楽しかった。いまでも、そういう物語に出会えば、考えたりする。願い事って何だろうって。
でもいつも思い付かない。なくしたいものも欲しいものも、それなりにあるけれど、それは誰かに頼むようなことでもないし、それで世界がかわるのが、いやなのかもしれない。世界ってうまくできてるんだな。
ただ、偶然の足どりに、たまに驚くことができれば、うれしいと思う…って、よく考えたら、魔法が出てくる物語の結末っていうのは、そういうとこに落ち着くことが多くて、それはそれでもったいないような気もする。