わたしは運動がにがてだ

知らない小学校のホームページを見た。
現在の生徒数は、14人って書いてあって、
トップページには、みんなで並んだ写真。
それぞれ、肩をいからせて気をつけをして、笑いを堪えた顔をして、
シャッターがおりたあとに、わっ、緩む空気まで、目にうつるようだった。

四季の行事、その背景に映る山や空はぴかぴかしていて、
四季の華、のリンクには生け花の写真。
背景は廊下か職員室か、素っ気ない灰いろの事務机の上に、日差しが溜まっていて、
ここに毎朝華を生けて、その度にカメラをかまえる、
その手のことを考える。

その学校も、町も、そこに住む人も知らないのに、
私の中にもある、学校の記憶だけで、
空間が繋がる、ぐうぅって気持ちになって、
指先に刺さった刺、あの子の耳たぶ、スプリンクラー、虹。
カシャン、
の後、一斉に走り出すのを想像して、思わず膝をさすった。