SWAYIN' IN THE AIR /雁須磨子

雁須磨子さんの高校生の男の子2人組、 といえば「のはらのはらの」と「いちごがすきでもあかならとまれ」がすごく良かったので、これもと思ってかいました。

SWAYIN' IN THE AIR (バーズコミックス ルチルコレクション)

SWAYIN' IN THE AIR (バーズコミックス ルチルコレクション)

キスしてみたら、蹴りまでいれられたので、ギャグということにしておく。そこからはじまるお話。筑と夏目は親友で、親友のまま筑の思いが、ずうっと続いている。「のはらの」や「いちご」の相手の一挙手一投足にどきどきするような気持ちの描き方に比べると、ちょっとイメージしづらいとこもあるんだけど、最終話の、とくにラスト2pのまとめかたは、ああこれが今につづいてんだなって思う、すばらしさだった。
1994年の作品なので、絵柄も今とはかなり違ってた。でもどこか力の抜けてる心地よさや、独特のリズム感は、この頃からちゃんとあって、なんだか安心してしまう。
絵柄以外で、特にかわったなーて感じるのは、女の子の描き方。BLだからかもしれないけど、男の子二人の関係に、真正面から女の子のからんでくるのにちょっととまどった。そして、そのキャラクターも、男の子たちの描かれ方に比べると、奥行きがない。でも4話め、夏目の田舎に行く話で、夏目を好きなイトコ、かのこが登場することで、雰囲気がかわる。
鈍感な夏目は、筑の気持ちにもかのこの気持ちにも気付かない。夏目と腕を組むかのこを見ながら、「嫉妬心はおこらなかった。かのこはけなげだ」と思う筑はきっと、かのこを見ながら、自分を見ている。その感じは、私が筑の夏目に向ける視線を追うのときっと同じようなことで。
つまり、ただ恋する視線を描くという意味で、やっぱり、雁須磨子さんの描くBLはどこまでも少女漫画なのだなぁと思った。

過去感想

「いちごが好きでもあかならとまれ。」
http://d.hatena.ne.jp/ichinics/20070405/p3
「のはらのはらの」
http://d.hatena.ne.jp/ichinics/20060619/p1