- 作者: 武富健治
- 出版社/メーカー: 双葉社
- 発売日: 2007/07/03
- メディア: コミック
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例えば、「長ウンコ」してたことを好きな子の前で話され逆上し、クラスメイトに怪我を負わせてしまった竹地をめぐるクラス会議。それから小川さんにまつわるうわさの駆け巡り方。
その収集のつかなさは、読んでいるこちら側まで巻き込んでしまう威力がある。
場面にいる全員が、別々の意識を持ってるっていうことは、現実ではあたりまえのことだけど、いざこうやって物語として提示されると、その危うさ、コントロールできなさを思い知らされます。
それと、同時に、この年頃の思考っていうのは、たしかにこんなふうに唐突なもので、それでいて自分の視界からすればなぜそれが伝わらないのかが理解できない、そんな感覚をうっすら思い出してしまったりもする。そして、その視界の広さこそが小川の魅力なんだろうなとも思う。
この「鈴木先生」の臨場感は、むしろ「密室劇」みたい、だけど無理なくそれぞれの内面を描けるところが漫画の強いとこかもしれないと思った。