め〜てるの気持ち 3巻/奥浩哉

め~てるの気持ち 3 (ヤングジャンプコミックス)

め~てるの気持ち 3 (ヤングジャンプコミックス)

完結。一巻を読んだときは、はるかがあまりにも「理想」すぎて、それが義理の母親で、ってどんな話になるんだろうと思ってたのですが、2巻でだいぶ方向性が見えてきて、3巻、完結してみると、これはどうやらSFだったのだと思った。
そんな都合のいい話があるかーって思うところはどうしてもあるし、だから、ひきこもりの主人公が、成長していく物語として説得力があるかはわからないけれど、なんというか、あと一歩を踏み出す勇気みたいなところを、支えたはるかの存在はやはり母親としてのものだったのだと思う。
ただ、その「母性」をここまで理想化して描かれると、いちおう女である自分には納得できない部分ものこった。それはたぶん、はるかに感情移入できないという点で、それはやはりはるかの内面があまり描かれないことが理由だと思った。たとえば「HEN」を読んでいて、吉田ちずるに感情移入できたのに山田あずみには距離を感じるのもおんなじ理由なんじゃないかなあ、とか思う。