「潔く柔く」1〜10巻/いくえみ綾

潔く柔く 1 (マーガレットコミックス)

潔く柔く 1 (マーガレットコミックス)

いくえみ綾さんの漫画はちゃんと読んだことある作品が少なくて、この「潔く柔く」もタイトルは知っていたけれどこれまで手にとったことがなかった。
でも以前、漫画喫茶で最初の数巻を読んだら面白くて、先日買い出したらあっという間に全巻そろえてしまっていた。そんですでに各巻3回づつくらい読んでるような気がする。
ほんと、今さらだと思いますがすごく面白いです。
エピソードごとに登場人物の視点を変えて描かれる群像もので、ここまで丁寧に描かれている作品を読んだのは初めてかもしれない。視点を変えて繰り返し描かれる場面を通して、誰もに理由があって、切実があるのだということを思う。だから、どのキャラクターにも少しずつ感情移入してしまうし、新しいお話が語られるたびに気づくことがあって、さかのぼって読み返したくなる。時系列に描かれているわけじゃないのに、お話が混乱しないのもすごい。
これは本当に面白い漫画だなと思います。今まで手にとらなかったのが残念だとも思うし、10巻まとめて読めて幸せだとも思う。あまりに面白くて、夢の中でも人におすすめしていたくらいです。
特に好きなキャラクターは、梶間君なんだけど、この梶間君ひとりとっても、高校時代から社会人までの年代を通して、彼の視点だったり彼に片思いしている女の子だったりたまたま行き会った知人としてだったり、いろんな形で登場する。
でもその人物の背景をだんだんと知っていくというのがとても不思議な読み心地です。
最初に登場するお話では少し苦手だった百加が、その後の話ですごく魅力的に思えたりするのもまたぐっとくる。
そしてまだ完結してないというのが嬉しいです。
ほんと読んで良かった。
潔く柔く 10 (マーガレットコミックス)

潔く柔く 10 (マーガレットコミックス)