「女の子の食卓」3巻/志村志保子

女の子の食卓 3 (りぼんマスコットコミックス クッキー)

女の子の食卓 3 (りぼんマスコットコミックス クッキー)

志村志保子さんの、食べ物と女の子をテーマにした連作短編シリーズ。もう3巻になるのですが、どの話も、とても丁寧に描いてあって、何度読み返しても、ぐっとこみ上げるものがある。大好きなシリーズです。
そういえば感想書いてなかった2巻も、もう何度も読み返した。
ぎんなんの話、はんぺんの話にある、人を傷つけてしまった思い出の、硬くのこる感じと、柔らかくとける感じ、食べ物とうまく重なって描かれていて、ということに何度も読み返してやっと気づいて、うれしくなる。
3巻でも、そのまなざしはぶれることなく、食べ物というモチーフを通して、女の子の背中をそっと見送るような、やさしいお話が積み重ねられていきます。様々な主人公がいるなかで、特に印象に残ったのは、なまり節の話と、コンビニの赤飯の話、それからブルーベリーの話。いつかのわたしも、そんなことを思ったな、なんて記憶を探るうちに、なんだかおなかがすくような、食べることの喜びに満ちた短編集でもあります。
女の子の食卓 2 (りぼんマスコットコミックス クッキー)

女の子の食卓 2 (りぼんマスコットコミックス クッキー)

ところで、食べ物をテーマにした短編、といえば武田百合子さんの「ことばの食卓」も大好きです。枇杷を食べたいなと思うたびに思い出す、その手つきを。