『グラインドハウス』USA版

見にいった人たちの感想を読んでいたら、ぜひともUSA版二本立てで見なくちゃという気になって、最終日、深夜の六本木ヒルズ25時からの『グラインドハウス』を見てきました。
行って良かった! 正直、けっこうつかれていたし、それなのにビール飲んじゃったし、こりゃ寝ちゃうだろうなーなんて思っていたんだけど、いざはじまってみたら、眠気なんてふっとぶくらい面白かった。劇場で映画をみるってことの楽しさを存分に味わわせてくれた三時間半だった。回りにいるのは知らない人ばかりだったけど、「コレ面白いね!」て言い合いながら見ている気分になる。みんな反応がいい。私も思わず「ウワ!」とかいいそうになりながら前のめりでみていたわけだけども、同じとこで隣の人も腰を浮かしたりしてて楽しかった。

グラインドハウス』は、60年代から70年代のアメリカによくあったB級映画を2、3本立てで上映する映画館の総称、とのことで、このUSA版はロバート・ロドリゲス監督の『プラネット・テラー』とタランティーノ監督の『デス・プルーフ』、そして間に挟まれる予告編やCMなど、凝った「遊び」部分を含め、『グラインドハウス』を体験するひとつ映画という構成になっている。日本ではこれから『プラネット・テラー』『デス・プルーフ』それぞれ単品完全版で公開されるらしいんだけど、これはやっぱり二本立てで見なきゃ意味合いがかわっちゃうんじゃないかなと思います。

最初にやったのはロドリゲス監督『プラネット・テラー』。面白かった。主人公、チェリー・ダーリンを演じたローズ・マッゴーワンがとにかく魅力的だった。anutpannaさんも書かれていましたが(http://d.hatena.ne.jp/./anutpanna/20070829#p1)ステージ上でメソメソするゴーゴーダンサーっていう設定がたまらないし、それが伏線になって出てくる、あの、トラックで突っ込む前の台詞にはしびれた。そんな彼女のアクションを筆頭に、とにかく見ていて楽しいゾンビ映画でした。
続く『デス・プルーフ』は、カーアクションホラーとでもいえばいいんでしょうか。ホラーじゃないか。とりあえず全編後編にわかれるような構成になってて、最初は正直退屈で仕方なかった。会話シーンの連続で、んーちょっと眠い、なんて思ってた。やーでも結果は大満足。ただ、その満足はあの退屈があるからこそ、なのかそうじゃないのかはよくわからない。
とりあえずどちらの作品も女の子のアクションが見どころなんだけど、両者の作風が同じ土壌の上にあってもまったく異なっているのが絶妙なバランスだと思った。あのラストのカタルシスは、そのバランスと映画館という場所だからこそのものだと思う。
面白かった。映画館ていいなと思いました。特に背中を押されたnishiogikuchoさんのエントリに感謝。→ http://d.hatena.ne.jp/./nishiogikucho/20070830/p2

追記

そういえば、見終わったとたんに「ねーねーあの車返しにいくのかなぁ?」ていってた男の子がいて、ああその発想はなかったわーと思いました。映画を見るときは、ある程度忘れっぽい方が楽しめるのかもしれないなぁ。