銀杏ごしの空、とか路地とか

年末進行のばたばたもあって、最近はなかなかな感じなのですが、それでも社用で外出した際には、ちょっとぶらっと、寄り道というかさぼったりもしていて、ぼけっと、歩きながら、あるいはコーヒーを飲みながら、このままどっか行きたいなぁなんていう誘惑に半分浸りつつ、やがておもむろに身を起こして、起こして、眠気と戦ったりしています。
それで先日、早稲田大学のそばへ行った時のこと。
近道をするつもりで路地に入り、先へ先へと進んでいくと、袋小路になっている場所がいくつかあった。それでふと「ねじまき鳥クロニクル」にでてきた路地のことを思い出し、帰宅してから本を開いてみたら、それは全然行き止まりとかではなく――「しかし路地には入口も出口もなく、両端は行き止まりになっている。それは袋小路でさえない」――というものだったので、私の記憶はあてにならないと言えばそうなんだけど、それでもねじまき鳥のことを思いながら道に迷っている間、何度も同じ道を通り、先ほど同じポーズで扉を開こうとしているおばあさんが来た道を引き返してきた私がそこを通る際も寸分違わぬ姿で扉を開こうとしていたり、この光の具合を、いつかも見たことがあるよーな、なんてちょっとした酩酊感を味わいながら歩いているのは結構楽しくて、
でもそういうときの、混沌としてるけど澄んでる、というかほとんど何も考えてない頭の状態を言葉にするのって、すごく難しいよねとか、ま、いつもどおりのことを考えたりしています。今年もあと、もうちょっと。