ヤング@ハート


1982年にアメリカのノーサンプトンという町で結成された合唱団の、年に1回のコンサートまでの日々を追ったドキュメンタリー映画。なんと、平均年齢80歳(!)という合唱団のメンバーはそれぞれほんとうに魅力的な人たちだった。
彼らはただ年配のコーラスグループというだけでなく、そのレパートリーもとても特徴的。ボブ・ディランだったりソニック・ユースだったりコールドプレイだったり、クラッシュだったり! 指揮者でグループのリーダーでもあるビル(はまだ若くて50代くらい)が新しい楽曲を持ってくるたびに、メンバーは困惑の表情を浮かべるのだけど、ほんとあっという間になじんでしまう。自分たちの側に引き寄せてしまうのだ。音がとりにくかったり歌詞を忘れたりしてもめげないし、何があっても迷わず「コンサートはでるよ」と答える。彼らの迷いのなさは、やはり「年の功」とでもいうべきもので、年をとるって素敵なことだなと改めて思いました。わたしも年をとっても毎日を楽しんでいたい。
ヤング@ハートのメンバーはみんな、まっすぐに歌うことを楽しんでいて、それがまた聞く側にもそのまま伝わってくることに、ほんとうにぐっときてしまいました。
私自身、高校時代は合唱部に所属していたので、この映画もすごく楽しみにしていたのだけど、ここにある合唱は、それこそ「息を合わせる」っていうことだったと思う。うまく歌うということよりもともかく楽しむことの結晶みたいで、私もいつかこんな合唱ができたらいいなと思った。
映画館で隣に座ったおばあさんが、映画が始まった瞬間から笑ったり手をあわせたり泣いたり歌ったりしていたのに私までちょっと嬉しくなりました。