「路地恋花」1巻/麻生みこと

路地恋花 1 (アフタヌーンKC)

路地恋花 1 (アフタヌーンKC)

京都の路地に軒を連ねるお店を舞台にした短編連作の第1巻。とてもよかったです。
手作りの製本をする人、アクセサリーを作る人や喫茶店の店主など、いろんな仕事をしている人がでてくるのだけど、どれもその仕事に取り組んでいる人の気持ちで、でも知らない人にもわかりやすく描かれているように思う。細かな書き込みまで、読むのがとても楽しかった。
特に印象に残ったのは、画家になりたいという男の子が出てくる第三話。なんかな、「RIN」で千代が言う台詞を思い出したりもしたけれど、それでもなんとか、やむおちのひとコマみたいにならないものかなあって思ってしまう。
それから、銀細工職人の人の話も好きです。伏線というか、「指輪は正直手ェ抜いとったし」なんて台詞をきっかけに回想に入るとか、気持ちの描き方が丁寧でよかった。
麻生みことさんの漫画は「天然素材でいこう。」と「そこをなんとか」しか読んだことがないのですが、なぜならその他のがなかなか売ってないからで、ぜひ再発とかして欲しいです。