「誰も懲りない」/中村珍

誰も懲りない

誰も懲りない

「羣青」(id:ichinics:20120612:p1)を初めて雑誌で読んで、それから単行本に出会うまでの何年かの間に、あの自分のことを「あーし」っていうキャラクターがでてくる漫画のことが妙に忘れられない、と思っていたことをこの「誰も懲りない」でも何回も思い出した。
「主人公」が恋人に言われる

せんせの描くマンガは
自分のこと切り売りしてるみたいでしんどいね

という言葉に全力で頷きたくなるような、しんどいけれど自分にはこれをしんどいという資格はないなと思うようなしんどさだった。そしてやっぱり、この作品のこともずっと忘れられないように思う。
アヴァール戦記」も(エッセイ漫画だし全然作風は違うけれども)忘れられないということでは共通していて、それは必ずしも「同意できる」とかそういうことではないのだけど、
アヴァール戦記」の「最後は漫画の話がしたいです!!!」という宣言があったタイミングでこの作品を読めたのはとてもよかったと思った。
ほんと独特な漫画家さんだなと思う。これからも新しい作品を楽しみにしています。