脳内リンク

新しいものをみて、これはあれに似ている、なんて思うことは見聞きするものが増えるごと(多くの場合は年を取るごと)に増えていくものだと思う。
私がそれを書くのは、基本的には、これも好きな人はあれも好きなのではという便乗おすすめをしたい気持ちなのだけど、それは単なる昔話なのかもしれない、と思うことも最近は増えた。
例えば日記を書いていて、これ前も書いたな、なんて思うのもそれに似ている。
ただ、頭の中で繋がったものにリンクを張っていくのは、この日記上においては自由だし、そういう意味で、日記を書くのは自分の記憶を客観的に保存する作業ともいえる。

今日、だいたい8年ぶりくらいに、小林賢太郎さんの舞台を見た。
その活動を積極的に追わなくなったのにはわりと明確な理由があって、そのことについて私はよく飲み会などの場で話していたし、てっきりこの日記にも書いたと思っていたのだけれど、
昨日それを友人に話しながら検索をしたところ、日記ではそのことに触れていなかった。
たぶん、嫌いになったわけではないので、そうとられかねない表現をすることを避けたのだと思う。
けれど、ずっと心にひっかかっていた、ある種の「反感」みたいなものは、今日舞台を見たことで消えたと思う。
久しぶりに母校に顔を出したら、あの頃苦手だと思っていた先生がちょっと優しくなっていた、みたいな気持ちだ。
きっと小林賢太郎さんは自分の作品についてそのような表現をされることは好まない人なのではないか、と思う。
ただ、年を重ねていくということは、当たり前だけど自分の側もまた物の見方が変わるということでもあって、
私はあの頃、しばらく追わないでいようと思った理由を忘れていないし、しかしそれを書かなかった自分の、それでも好きという気持ちがいまここに繋がったことを嬉しいと思う。

手放しで「最高だった」というのとは少し違うんですが、それでも今日舞台を見た後に前作のDVDを衝動買いしてしまったし、それを見るのがとても楽しみです。