正義族/後藤友香

ichinics0000-01-01
ISBN:4883791866
妹が友達から借りたものを借りて読んだ。
絵も話も強烈です。ページめくる度に「なんでだよ」ってつっこみたくなる。
私は結構おなかいたくなるくらい笑いましたが、笑えない人は怒りだしそうな漫画でもあります。とにかく大抵の事に理由は無く、全てが唐突で、「宣言」→「結果」みたいな、途中経過無しの展開が多い。主人公はだいたいキックで勝つしね。1番笑ったのは、他人の屋敷に侵入しようとしてる主人公が、ドアから出て来た奴(まあ敵なんだけど)に向かって「お前は誰だ!」と叫ぶとこ。いや…それはあなたが言うことじゃないし、と突っ込みたくなる読者の気持ちは無視して戦闘開始。
異様なテンションの高さにちょっとIKKIの今は亡きボツマンを思いだしたりした。(プロの方に失礼ですが)この勢いで書き続けられたらすごいなぁと思う。

《朝日コムでの湯浅学さんの評》
遠近感が乏しい平らでガサツな空間を激しく動きまわる登場人物は、皆木彫りの像のようだ。犬さえも。
http://book.asahi.com/comic/TKY200507130192.html

とあるように、絵は「味がある」を通りこしてかなり迫力のある下手さに見えるのですが、後藤友香さんの、チョイス入選作をちらっと見てみて(→ http://www.genkosha.co.jp/il/choice/125/)考えが一回転した。画像が小さくて良く見にくいけど、表紙の絵に近い感じ。この表紙を見ると、あーデザインされてるなぁと思うんだけど、まあ内容については、演出でも素でもいいと思います。面白かったし。
装幀は湯村輝彦さん。人選もデザインも秀逸です。