アフタヌーン四季賞CHRONICLE/夏の巻

春の巻(id:ichinics:20051029:p2)の続き

1991年

菅原雅雪/「ホーム レンジ」
俺たちに明日はない」みたいなってちょっと違うかな。お話も画も凄く上手い。「暁星記」の方ですね。
安田弘之/「MoZoo」
ファンタジーなのですが、安田さんの作品というと「ショムニ」が思い浮かんでしまう私にはすごく意外だった。高野文子さんとかに影響うけてるのかなっていうような気もした。

1992年

松永豊和/「きりんぐぱらのいあ」
すごい怖い。インタビューでも「気合いが入っていた」というだけあって、完成度は高いです。ちょっと忘れられな感じ。いじめられっこの復讐もので、荻原浩さんの「コールドゲーム」を思いだした。

1993年

小原慎司/「ぼくはおとうと」
二人暮らしの姉弟の物語。確かこのあと連載になった作品。でもこの1話だけでもすごく独特の空気がある。せつない。
桑原真也/「YOKO VS.」
「0(ラヴ)リー打越くん!」の人だ。今は「R-16」で画を担当されてるんですね。知らなかった。少女漫画みたいなストーリーでちょっと意外だったけど、絵がすごくうまい。と思ってインタビューみたら「昔は絵がうまかったなー」と書いてあってちょっと笑った。今もすごい上手いと思いますけど。
沙村広明/「無限の住人
単行本1巻にも収録されてる、そのまんまです。いやーでも、ということは、もう10年以上あの連載は続いてるっていうこと? 時の流れははやいなー。
黒田硫黄/「蚊 他2編」
これも全部「大王」に収録されてます。「蚊」の雰囲気と「南天」の雰囲気が全然違うのに同じ面白さがあるのが好きだ。南天の最後の1ページの空気とか。
五十嵐大介/「お囃子が聞こえる日/いまだふゆ」
「お囃子が聞こえる日」は「はなしっぱなし」に、「未だ冬」は「そらトびたましい」に収録されています。こういう漠然とした不安と、でもそこの惹かれてしまう感覚を描くのがほんとにうまいひとだなぁと思う。
吉開寛ニ/「孤独の音」
神様の依頼で作られた「死んだ人間」の心が宿るロボットのお話。良い話です。それから「神様」の描き方が新鮮だった。

しかし1993年はすごい年だなぁ!!

1994年

芦名野ひとし/「ヨコハマ買い出し紀行
これも雑誌掲載時に読んだような気がします。あのヨコハマの空気感が凝縮された第一作。
安倍吉俊/「雨の降る場所」
インタビューによると(入賞作について)「今の僕の絵がイラストレーターの絵ですが、当時は漫画家の絵を作ろうと苦心していたのだなと思いました」と書かれていたけど、なんだかわかるような気がした。でも表情のアップとかには今の絵と近いとこもある。哀しい話だけど、すごく好みの作品で、短編小説のような雰囲気でした。