Lost and Found/Daniel Johnston

このアルバムは、トリビュート盤に継ぐ「待望の」新作で、私がはじめてリアルタイムで聴くことができたダニエル・ジョンストン作品でもあります。一言でいえば「すげーいい」です。どこから聴いてもダニエル。
絶妙に壊れてて、楽しくて、かなしく、いとおしい。「Squiggly Lines」の駆け上がるピアノのずれ方なんて、たまらないです。

ロスト・アンド・ファウンド

ロスト・アンド・ファウンド

映画を見てから感想書こうと思ってたんだけど、映画の印象が強烈すぎて、あの空気を思い出さずには聴けなくなってしまった。私は、彼がなんらかの精神的な病を抱えてることは知っていたものの、想像と映像で見る彼とはまったく違っていた。そういえば彼の動く映像を見たのははじめてだった。でも、確かなのは、彼の存在を確かに感じることがなくても、音楽は魅力的だったということだ。
それでもどこか、あの切実さを、記録しまくった彼の事実を、歌詞にあるほんとのことを、音に重ねてしまう。あの頭の中に鮮明にあるビジュアルをアウトプットできるという才能のことを考えてしまう。それだけじゃなかったのに。
うー。なんかなと思うけど、ややこしく考えないで聴きたい。ぼくはキャスパー/ザ フレンドリー ゴースト/なのさ。というあのフレーズを思い出すときの、口元のにやける感じで。それはもう、アイスクリーム食べて「うまーい」と笑うようなものなのだ。
ただ、映画を見てわかったことは、ライナーにも触れられているとおり、このアルバムには、プロデュースを担当したブライアン・ビーティーの「理解と愛情」があるということ。愛されているなぁ。