文房具ワルツ/河内遥

グリム童話の靴屋さんの小人みたいに、文房具視点で描かれる連作短編集。勉強をしたり、手紙を書いたり、机に向かうってすごく個人的な時間だけど、その時間を一緒にすごすのが文房具なんだよなということを改めて思い出したりした。キーボードを触る時間のほうが増えてしまったけれど、でもそれも現代の文房具みたいなものかな、と思う。
この「文房具ワルツ」ではそうやって机に向かう切実な時間を文房具たちが支えてくれていることがわかるようなお話ばかりで、とてもよかったです。