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 夏の内見

一度目の内見で覚悟完了した私は、とりあえず9月末の連休あたりで引越しをすることを決め、盆休みにいよいよ本格的な内見を開始、しようとしたけどできなかった。盆休みは不動産屋もしくは管理会社の盆休みでもあり、ほとんどの不動産屋が休んでいた、もしくは管理会社が休みで内見ができませんといわれたからだ。
それから紆余曲折あって、周りの人にもいろいろ相談しつつ、候補を2つに絞ったのが8月末頃。まだ人が住んでいるとのことで内見するより先に、その建物だけ見に行った日があった。

最初の印象は「写真で見たとおり」。
入り口は暗いけれど、階段は明るく、近くに公園か学校があるようで、子どもの歓声が聞こえていた。住人でもないのに気がひけたけれど、とりあえず賃貸にでていた部屋の前まで行ってみる。部屋番号をみて、振り返ると町が遠くまで良く見えた。

駅前に戻り、駐輪場を見つけて管理人さんに周囲にどのくらい駐輪場があるのかを尋ねると、親切に駐輪場案内の紙(その裏は、駐輪禁止の貼り紙だった)をくれた。自転車を携えてもいないのにそんなことを尋ねてしまったのでつい、今度引っ越してくるんです、と、まだ決まってもいないことをいうと「それはおめでとう」とおじいさんは笑った。
結局決めたのはその日見に行った建物で、思ったより古びていたとか、リフォームがイメージと違ったとか、いろいろと思うところや現実との折り合いをつけなければならない所はあるのだけど、毎朝階段を降りるたびに、景色が遠くまで良く見えるのは、やっぱりいいなと思っている。