DEATH NOTE1〜5

DEATH NOTE デスノート(1) (ジャンプ・コミックス)DEATH NOTE (2) (ジャンプ・コミックス)DEATH NOTE (3) (ジャンプ・コミックス)DEATH NOTE (4) (ジャンプ・コミックス)DEATH NOTE (5) (ジャンプ・コミックス)
ちょっと前からジャンプを買わなくなった、というか家族が買ってこなくなったので、昨日単行本でまとめ買いした。
だから先週のジャンプで起こったらしいデスノート大事件については知らない。知らないようにすごく注意している。が、友達からメールがきたりしてうっすら知ってしまったし、我が家のジャンプ読者3人中1人は噂にまけて読んでしまった。ああ、やっぱりジャンプ買ってれば良かったかな、と思っても後の祭りです。ブランクできちゃったからにはもう単行本派を貫くしかないのです。
5巻までが丁度ぴったり連載で読んでいたところだったので、中身は知っている話なのに、やはり面白すぎて続きを読むのが止められない。
  *****
散々語られていることだろうけど、「DEATH NOTE」の特別なところは、主人公が「善」なる存在ではなく、たぶんこの先も全くの善にはならないであろうという設定の斬新さだと思う。あらすじを、人間である主人公が神として人間の死を決定していく、と書くとなんだか恐ろしいが、この話の主題、および魅力はエルとキラの心理的攻防戦にある。
読む方はどちらの視点で読めば良いのか戸惑うかもしれない。キラか、エルか。私もキラに捕まって欲しくないと思いつつエルの推理に肩入れしたくなったりで訳が分からない。でもそこが面白い。
そして第5巻ではもう一人の、本来のライトが現れることで、読者側は焦点をどこに合わせればいいのかが、さらに解らなくなる。しかしこの伏線は、後にかなりのカタルシスをもたらす展開になりそうでわくわくする。
アガサ・クリスティが「アクロイド殺し」を逆回しで書いたとしたらこんな感覚かもしれない。文体にトリックがあるというのにもかなり痺れたが、「DEATH NOTE」の場合は設定の使い方と展開に感動。小畑健さんの絵の上手さにも感動。
しかしそれよりも近い匂いを感じるのがマーク・トウェイン不思議な少年」だ。言わずと知れたトウェイン晩年の名作だが、魅力的な少年サタンが人間の愚かさについて語るところは、まるでデスノートを手にしたキラのようだ。そしてサタン(悪魔)はそもそも天使であるということも、また考えさせられるものがある。

不思議な少年 (岩波文庫)

不思議な少年 (岩波文庫)

最後に個人的予想としては、南空ナオミのおなかの中に実は赤ちゃんがいて、彼女は生きてるんじゃないかと思うんだけど・・・。生後数カ月まで殺せないとかあったのでそう思っただけですが。そしたら怖いなー。ちなみに5巻では相沢刑事が公園にいるシーンでの「パパだー」に泣けました。宮部みゆきの描く刑事のように熱い男前だ。