SLAM DUNK(その5/23巻〜31巻)

スラムダンク (23) (ジャンプ・コミックス)

スラムダンク (23) (ジャンプ・コミックス)

あー書くより読む方が早くてすっかり忘れてたスラムダンク感想はもうそのまんまにしようかな、と思ってたけどなんとなくすっきりしないので続きを。

いよいよインターハイへ出発。23巻の冒頭での水戸とハルコの会話が、よく読むと切ない。
「ハルコちゃんにはバスケは不向きだったんだよ」/(略)/「桜木君にはきっと…バスケはぴったりだったんだよね」
豊玉のラフプレーに翻弄される湘北。でも悪役になりがちなラフプレーと「ラン&ガン」にこだわる気持ちにつなげていくことで、この豊玉高校はかなり印象に残ったチームでもある。『勝てば官軍』という言葉で語られるかつての監督の言葉が、後の山王にかぶる。
「日本一の選手ってどんな選手だと思う…/きっとチームを日本一に導く選手だと思うんだよな」という流川の名言&伏線、それに花道の合宿シュート成功。p71の「母鳥の心境」というのが、大事なターニングポイントのような気がする。アイデン&ティティの感想でも書いたけど(id:ichinics:20060411:p1)こういうのは少年の成長ものの法則のようなものなんだろうか? 27巻冒頭の「NO1ガード」(好きな場面)とかも。逆に少女もので父的なものからの脱皮、というテーマはそれほど多くないと思うんだけど。
ともかく、25巻から、いよいよ山王戦。この段階では名朋工業の森重「山王って何?」発言があるので、もしかしたら森重との対戦もプロットにはあったのかなぁ、とか思いながら読む。
山王戦は、長いということもあるけど、誰対誰、という単純な図式で読めない、入り組んでいる試合で読んでいる最中の一場面一場面をクローズアップして試合が描かれている。もうあっちもこっちも行き止まりに見えたところで「あきらめたらそこで試合終了ですよ」の名台詞が・・・!(27巻p148)
No1を目指す男、No1になれなくても、勝ちは譲らないと言う男。そしてあきらめの悪い男三井は自分の体力のなさを認め、リングだけを見る。味方を信頼しきる事でなんとか支えられてる――。ってのがまた泣ける。
28巻は桜木のリバウンドが認められ、河田にマークされるところで終了。そして流川の出番だ。
流川と対決するエース沢北の過去はなんとなく、これまでのと比べると物足りない気もするけど(すみません)まあ「ボールは友達」っていうキャラはそういやこれまでいなかったしな、なんてことより、あの1on1で抜いていく沢北の迫力で納得。で、流川と沢北を中心に話が進んでいくなかで、流川と仲間を結ぶ線が見えてきて、なんかもう全てが名場面。スポーツはあまり見ないので、比較対象がないのが残念だけど、語りぐさになるような試合ってそういうものなのかもしれない。
30巻p139の安西先生の語り。#268と#269の展開で、この物語は決着しているとも言える。
そして「オレは今なんだよ!!」から始まる最終巻。桜木から流川へのパス、そして倒れている桜木の目、そして「左手は添えるだけ」の桜木への流川のパス。
ここで描かれるのは、むしろ決着ではなくて、新しい物語の始まりを予感させている気がする。

スラムダンク (31) (ジャンプ・コミックス)

スラムダンク (31) (ジャンプ・コミックス)

感想まとめ

1〜5巻/id:ichinics:20060330:p1
6巻〜11巻/id:ichinics:20060331:p1
12巻〜16巻id:ichinics:20060402:p3
17巻〜21巻id:ichinics:20060407:p3