イン・ザ・プール

ichinics2005-06-30

三木聡監督
やっとこ見に行く。ほんとはもう、文芸座とかで二本立てやるのまとうかな、とも思ってたんだけど、せっかくの水曜日だし、と思っていく。テアトル新宿ではあと二日だし、空いてるだろうと思って行ってみたら、大入りでびっくり。しかも女性ばかりだ、って水曜日だからか。
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ストーリーは、奥田英朗さんの原作「イン・ザ・プール」からの短編3本を平行に描いているという感じで、原作が主人公達の内面にスポットをあてているとするなら、映画版は状況を笑い飛ばすことに焦点をあてているという印象。肩の力を抜いて楽しめる映画だった。
とにかく松尾スズキさんが良かったなぁ。ドラマ版での阿部寛さんの伊良部も良かったけど、原作のイメージに近いのは松尾さんの方だった。あの身勝手なのに憎めない感じがいい。
患者さんの中では、オダギリジョーさん演じる”継続性勃起症”のエピソードが1番原作に忠実で、映画の主軸としてきちんと最後まで描かれててすっきりする。あの奥さんと対決するとこで松尾さんの髪が妖怪アンテナ未満みたいに逆立つとこが良かったな。
あと、市川実和子さんも原作とは性別が違っているけど、病んでいる感じがでていて良かった。ただ、1番親近感のもてるエピソードなので、もうちょっと最後まで描いてほしかった気もする。大量の瓶が置かれた部屋とか、原作にもあったけど、ちょっと説明不足な気がした。
田辺誠一さん演じる”プール依存症”のエピソードは、最後までなかなか展開せず、あのラストにしたのは良かったと思うけど、浮気相手のエピソードなど、唐突に思えた。(それからあの浮気相手はなんで「病院行って」っていったのかわからなかった…誰から移ったって話なんだろ? そして何故彼女は退職?)
脚本をつくるうえでも、3つのストーリーをきちんと完結させるのって難しかったんだろうけど、ちょっともったいない。でも、存分に笑える部分があって、とても楽しい映画だった。
7/2から始まる「亀は意外と〜」も楽しみだ。