ヴィンランド・サガ(VINLAND SAGA)/幸村誠

ヴィンランド・サガ(1) (講談社コミックス)

ヴィンランド・サガ(1) (講談社コミックス)

《『プラネテス』の幸村誠が描く最強民族(と書いてヴァイキングと読ます)叙事詩、というだけでも話題作だと思うのですが、これがまた、かなり面白い!!です。
幸村さんが少年マガジンで連載してるってのは結構最近知って、ちょと意外に思う反面、少年マガジン的な話になってたらどうしようって思ったりもしてたのですが、良い意味で期待を裏切られた気がしました。思えばこういう骨太な冒険ものというのは、少年マガジンを影で支えて来た作品に多く見受けられたパターンかもしれない。その中でもこの作品は群を抜いている。
のっけからスピード感のある戦いのシーンではじまり、物語の主人公である少年トルフィンとヴァイキングの長アシェラッドの関係に興味を湧かせた上で、3話からその原因に迫って行くという展開なのがこの1巻。とにかく登場人物たちが魅力的。軽妙な台詞のやりとりなんかも幸村さんらしくて、読むのがとても楽しいのですが、今回特にぐっときたのはトルフィンの戦闘シーン。短剣の二刀流なのですがすごい迫力がある。こんなにアクションが上手い人だったのかーと思った。
壮大な物語を背景に、きちんと人物を掘り下げて行くという作風は『プラネテス』に近いところがあると思います。幸村誠さんはほんとに信頼の置ける漫画家さんだと再確認した。大当たりの予感、と言い切ってみる。今後がとても楽しみです。
海洋冒険もの、というと「ワンピース」を思いだすけど、雰囲気としては「ヒストリエ」とか好きな人にお勧めしたい感じです。
ところで、ヴィンランドというのは「暖かく豊かで奴隷商人の手も届かない」幻の大陸のことだというのは物語の要所要所で触れられるのですが、p160でのレイフのおじさんの話を読むと、それってアイスランドの暗喩的なものなんだろうか?
と思って検索してみたら実在の人物らしい。wiki読んで史実を基にした作品だったのかと今さら知った。

レイフ・エリクソン (Leif Ericson, 古アイスランド語ではレイヴル・エイリクソン Leifur Eiriksson)は、10世紀末から11世紀初め頃に活動し、ヨーロッパ大陸から海を渡ってアメリカ大陸に史上初めて到達した物語がサーガに語られるアイスランド生まれのノルマン人航海者(ヴァイキング)。「幸運なるレイフ」というあだ名でも知られる。
Wikipediaより

あぁ、アイスランドのことじゃなくてグリーンランドか…。草原の地って書いてあったもんね。
ちょっと続きが気になって弟からマガジン借りて来てみたら、結構面白そうなのがいろいろあって、マガジン読むのをやめちゃったのがちょっと残念になった。少年マガジンは最近かなり年齢層上の雑誌から作家さんを連れてくるパターンが多いのかな? コ−ジィ城倉さんの「おれはキャプテン」も好き。