「柔らかい殻」「渋谷区円山町」/おかざき真里

おかざき真里さんの、りぼんコミックスで出てる短編集2冊。借りた(妹が)。

やわらかい殻 (りぼんマスコットコミックス)

やわらかい殻 (りぼんマスコットコミックス)

柔らかい殻
一つの部屋に、二つの時間と二人の女の子。
「空に恋する」
その「できない」感じはすごく迫力があるのに、その理由が、もし暗喩なのだとしたら解りづらいと思った。
「ワンピース」
感情は迫力があるのに、その解決法にちょっと肩すかしをくらうな…。ページ数が足りない感じがする。
「水の名前」
手タレの子の話。すごく短いのに印象に残る。
「タフ」
かなり初期の平成9年の作品。「サプリ」の原型がこれなんだろうな。
「風草子」
さらに古い平成8年の作品。おかざきさんにはめずらしく時代物。今の絵にいたるまでの流れが少し見える。

渋谷区円山町 (りぼんマスコットコミックス クッキー)

渋谷区円山町 (りぼんマスコットコミックス クッキー)

「渋谷区円山町 青空」
教師と女子高生の恋愛もの、だけど、この熱量はさすが。あの見開きにインパクトある。お話の起伏の付け方が、独特だけどうまいなと思う。
「渋谷区円山町 放課後」
女子高生の共闘宣言。イジメと家出と、こういう友情の形を描くのはおかざきさんの得意とするところなんじゃないかと思う。「雨の降る国」とか。石田衣良さんの「14」(に出てきた109に居る少女)や村上龍さんの「ラブ&ポップ」を思い出す少女観ではあるけど、確実に一線を画しているのは、もちろんかつての少女からの視線で描かれているからだろう。
「渋谷区円山町」
ラブホ街での出会いのお話。この作品の連載中、おかざきさんは円山町に住んでらしたそうです。