小さい頃、お母さんとお出かけして、お買い物して、あれもこれもすてきだけど、寄り道せずに、ちゃんと手をつないで、いい子にして、「ご飯食べてかえろうか」ってそのひとことを、心待ちにしてたときが私にもあった。
エレベーターのぼって、食堂、長蛇の列に、お母さんの手がひるむのわかる。お子さまランチに執着はないから、別のお店でいいよ、別のとこいこうよ、って、巡ってるうちにどこもしまりはじめて、暗い街抜けて、どこにいくのかなって思ったら駅だったりしたときの、あの絶望感。
今日、街で地団駄ふんでる子どもをみて、そんなことを思い出しました。私も踏んだよ、地団駄。泣いたしひっくりかえったし世界中でいちばんじぶんがかわいそうな気がしたこともあったはず。お母さんが手、つかんでてくれるから、だから全開で体そらせて、その信頼感とやるせなさのないまぜになった感じが、今ではなつかしい。もうあんなふうに泣けない。
泣いてる子、見ながら、でもこうやってちゃんと、コントロールできない気持ちを経験することが、気持ちをコントロールすることを教えてくれたのだな、と思った。