夜/まよう

気がついたら電車をおりていた。渋谷だった。それじゃあ映画を見ようかと思い、ついいつもの癖で携帯をとりだしたが、今のこの代替機にはいつもの映画予定表は入っていないのだということを思いだし、立ち止まる。途方にくれる。とりあえずCDでも見るかと思ってセンター街のHMVに行ったけれど、探していたものはなかった。いくつか試聴してTAPEっていいなあ、なんて思いながら聴いて、まよって、一枚だけ買って出る。
でもどこかで「サッドヴァケイション」みたいなと思っていて、いつのまにかライズに向かっていた。時刻表を見るとちょうどはじまったところだった。二度見した。15分すぎ、ということは予告も終わっているだろう。まよって、でもちらっとでもはじまってしまってるのはやだなって、やめる。
PBCに向かう。本はいいね…と脳内で言ってみてからそれがカヲルくんだということに気づいて脳がまずいねと思う。だけどべつに誰も聴いていない。じゃあいいじゃんねと思いながらふたたび、本はいいね…と思う。まだまだ欲しい本読みたい本があるというのは安心する。夜中についったで読んだ詩のことが頭に残っていたので、「厄除け詩集」を買う。そういえば「人生処方詩集」とタイトルのイメージが似ているような気がする。今は、処方されるよりも、厄除けを持ち歩くほうがしっくりくるかもしれない。平和だから。まよって、やはり平和だと思う。