ロイヤルホストで13時

小学校のときの友人、Kがお産のため里帰りしてるので、Mと一緒に会うことになった。Mが家まで車で迎えにきてくれて、昔一緒に通った通学路を赤い車で走る。
臨月間近だというKのお腹を見て、そういえば弟や妹が生まれる前の、お母さんのお腹がすごく大きく見えたのは私が小さかったからなのかなあ、と言ったら、昔は妊娠したら太れっていわれたから自分が生まれたとき、お母さんは17キロも増えたらしいけど、今は普段より10キロ増えるとお医者さんに注意されるんだよー、と教えてくれた。最近の妊婦さんは細い人多いなぁと思ってたけど、なるほどなーと、勝手に腑に落ちる。
そんなふうにお医者さんにも方針の変遷とかあるんだねえ、という話をしつつ。
3人の共通の話題といえばやっぱり小学校の頃のことで、あの子はどのへん住んでたとか、G藤くんて双子が二組いてややこしかった話とか、どっちもお兄さんのほうがやさしかったよねーとか、やさしいといえばいつも上履きでつま先立ちしてたNくん、わたしと同じ名前だったからよく覚えてるなとか、そんなとりとめない話はわりと尽きなかった。
私たちの通ってた小学校は団地の子が過半数をしめていて、そういえば、NくんもG藤くんたちもだったけど、とにかく、団地はみんな仲良くてうらやましかったなあって話をしてたら、今はもう団地に子どもがいなくなってしまい、公園は草が生え放題だしアスレチックも取り壊されてしまったんだよって聞いて、
小学校のときの私たちにとって、団地はなんていうか、巨大だった。特にアスレチックにはよく遊びにいった。でも団地の子優先ってルールがあって、だから夏休みに早起きして行ったことあったよねえ。あったねえ。でもあっという間にあきたよね。そんでサンゴートーのしたにある文房具屋いって漫画立ち読みしたりね。アイスも買ったよね。あそこも、もう文房具だけになっちゃったらしいよ。えージャンプはあそこで買ってたのに! あそこでDBそろえたのに! いろいろ変わるねぇ。でも、わたしたちだって、もう十何年もいってないもんな。なにしろ、もう、お母さんだもんね。
なんてすごい話。年をとったのはもちろんだけど、
あ、あそこのでかい石のとこでよく待ち合わせしたよねーって言いながら車で通り過ぎる。その瞬間が、10歳の頃と今を直接つないでるような気がして、時間の流れは一直線じゃないような、ぐるぐる大鍋かき回してるような気分で、ロイヤルホストで13時、私たちはパンケーキを食べた。