Radiohead 10/8@国際フォーラム

年始にとったさいたまアリーナが朝霧とかぶってしまい、フォーラムはチケとりに失敗し、あきらめかけていた今回のツアーですが、幸運なことにチケットを譲っていただき、行くことができました。感謝。

「15steps」から始まったのは予想どおりだったけれど、まさか2曲めに「Airbag」をやるとは思わなかった。CD屋で働いてた頃のこととか、赤坂ブリッツで見たライブのことが鮮明によみがえってきて、思わずグッとくる。ずいぶん遠くになった。はじめてRadiohead のライブを見たのはまだ10代の頃、今はなき新宿のリキッドルームで、スピーカーの真ん前にいた私の耳は翌日になっても音にくるまれてるようだった。
国際フォーラムのスピーカーは遠い。確か「OKコンピューター」の頃にもフォーラムライブがあったけれど、やはり彼らのライブはもみくちゃになりながら見たいなぁ、なんて少し寂しい気分になる。椅子の前に立って聴く「JUST」はせつない。そして、あんなに夢中になっていた Radiohead のライブを、こんなにも冷静に見ている自分にもがっかりする。
でも、それは序盤、天井が高いせいか、少し音が少しバラバラに聞こえるなぁ、なんて思っていたせいかもしれない。トムも少し歌いにくそうな曲が続いていた。しかし、中盤、特に「A Wolf At The Door」「Faust Arp」の流れからは、トムの声がぐっと張るようになった。
Radiohead の音楽を、私は以前「トム・ヨークという感情を乗せた、非常に性能の良いマシン」のようだ、と書いたことがあるけれど(id:ichinics:20050928:p1)、今回のライブではむしろ、ピースを組み合わせるのではなく、ひとつの重なりになって響く、構成の丁寧さが印象に残った。
でもやはり、その上に乗るトムの声次第で、この楽曲の魅力がぐっと増すようにも思う。序盤のゆれが嘘のように、中盤からはあの、のびやかな声を聴くことができてうれしかった。

今回のライブではほとんど全てのアルバムからまんべんなく演奏された気がするんだけど、中でも「OK Computer」「Hail to the Thief」からの楽曲はライブ向きなんだなぁと改めて思う。そして唯一、1stアルバムから演奏された「Blow Out 」を聴いて、Radiohead というバンドがオリジナルメンバーのまま、活動しつづけていることに感謝したくなった。