3月、4月

3月はなんだか懐かしい月だった。
CD屋時代の同僚から電話がきて、たまたま近くにいたので顔を見に行くと、他にも何人かに電話をかけていたようで同窓会みたいになった。私ひとりで行っても思い出されることなんてない飲み屋で、久しぶりだねと言われておかしい。一緒に働いてたのなんてもう6年くらい前のことなのに、会ってすぐに悪態をつきまくる店長はまるで昨日の続きだ。年はばらばらだけど、なんとなく同級生に再会した気分。朝から晩までほとんど毎日、何年間も一緒にいたんだもんなーなんて感慨に耽りつつ、私の学生生活はここで終わったんだろうなとも思った。
近況を話すと相変わらずすぎるといって大笑いされた。でも心配してないから、と言われてちょっと嬉しくなるのはなんでだろう。よくわかんないけど、たぶん、心配してるよと言われてもきっと嬉しい。

袴姿の女の子たちを見かけてしばらく経った頃、駅員さんのアナウンス(本日は○○大学の入学式です、お帰りの切符はお早めに云々)を聞いて、そういえば私も入学式と卒業式はこの町でやったのだったということを思い出した。昼休みに外に出ると、前を入学式帰りらしき母娘が歩いていて、その娘の緊張しきった様子に、自分の当時を思い出して気恥ずかしくなったりもした。あの日桜が咲いてたかどうかなんて覚えてない。しかも、まさかこの町で働くようになるなんて、考えたこともなかったなーと思いながら、満開の千鳥ヶ淵を遠くから眺める。