「響子と父さん」/石黒正数

響子と父さん (リュウコミックス)

響子と父さん (リュウコミックス)

妹は家出中、母さんは頻繁に旅行中で、家に残っている姉の響子と父さんのお話。父さんの言ってることとやってることの食い違いぶりと、響子のしっかりしてるようで適当な感じが、石黒さんらしいコメディになってます。娘の彼氏が挨拶にくる回で、お前たちに教えたいことがある…とか言いつつ人生ゲームをはじめて、結局人生最後の大バクチを打ってしまうとことか面白かった。
行方不明の妹についての話もいくつかあるんだけど、この妹っていうのが、「ネムルバカ」*1にでてくるルカなんですよね。んで、ルカが家を出るくだりも回想シーンとして出てくるんだけど、ここを読んでなんだか、こういうときどんな顔すればいいのかわからないの…って気分になってしまった。
最後、妹からの電話を父さんが勢いで切ってしまうところ(「俺が幸せでないワケないだろ!!」)とかはよかったんだけど、これも結局家出るくだりの続きだしなー、っていうのに似たひっかかりを、そういえば「ネムルバカ」でも感じたような気がします。もう一歩踏み込める手前で終わってしまう感じで、作者がキャラクターをどう見せたいのかよくわからなくなる。
むしろ、「ネムルバカ」の後のルカの話が読みたかったなーと思いました。