「えへん、龍之介。」/松田奈緒子

えへん、龍之介。 (KCデラックス BE LOVE)

えへん、龍之介。 (KCデラックス BE LOVE)

以前TV番組で紹介されていたのを見て気になっていた作品。書店でやっとみつけたので読みました。
芥川龍之介の晩年を描いた物語で、室生犀星萩原朔太郎などの文人との交流も読んでいて楽しい。
けれど実際にあった出来事を描いているだけに、後半は特に逸話をなぞるような展開になってしまって、もっと作者の見た(考える)芥川龍之介をみたかったなと思いました。

ところで芥川龍之介といえば中学生の頃、修学旅行で山梨県立文学館で見た芥川龍之介の動画がものすごくかっこよくて、そんな動機で新潮文庫を読み漁った思い出があります。この「えへん、龍之介。」を読んだあとにyoutubeを検索したらあっさりその動画が見つかり、そして中学生の頃のようなときめきが感じられずに、思い出のままとっておけばよかったという気持ちにもちょっとなりました。