- 作者: 安野モヨコ
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2005/07/22
- メディア: コミック
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「働きマン」では、主人公を中心に、色んな人の仕事に対する思いみたいなとこが描かれてくわけだけど、そのエピソードの抽出の仕方なんかに、安野さんの手腕が現われているような気がする。
特に第10話の書店営業の人の話。私は実は書店営業をやりたくて就職活動してて、でも結局違う仕事につくことになった…なんてことがあった、ので(恥ずかしい)、この話にはすごく感動した。思い入れないように、ということ以前に、思い入れなくこなしてる人だってきっとたくさんいるだろう。でもきっと、思い入れたくなる本ってのはあって、その本を売ることができて、こういう瞬間に出会えたりしたら、きっと幸せだろうなぁと思ったりした。実際はそんなきれいごとばかりではないんだろうけど、やっぱりきれいごとを目指して働きたいなとも思ってるんです。
それから第11話は若くして亡くなった「取材するはずだったひと」の話。『家出る時に「お疲れ」って言ったの』という台詞にもぐっときた。
この漫画の主人公のように、仕事が楽しくて、全力で働くことができる、ということがうらやましく思えたりもする。そういうこと考えだすとぐるぐるしそうだけど、これもまた色んな人の、色んな人生なんだってことは順番にスポットが当たって行く全ての人を「否定しない」ってとこに現われてる気がする。漫画って面白いなぁ。