ライフ・イズ・ミラクル

ichinics2005-08-24

エミール・クストリッツァ監督作品

たのしかった!! まさにめくるめくクストリッツァワールドといった感じでほんと相変わらずなのだけど、やっぱりクストリッツァ映画を見ると元気になるなぁと思う。大好きです。それから、お馴染みエミール・クストリッツァ&ノースモーキング・オーケストラの音楽も快調。
今回の「ライフ・イズ・ミラクル」は1992年、内戦勃発直後のボスニア・ヘルツェゴビナを舞台に描かれる、鉄道技師ルカにまつわる物語。ルカは国境近くの線路沿いの家に、元オペラ歌手の妻とサッカー選手の息子ミロシュと3人で暮らしている。「黒猫・白猫」の時と同じく、クストリッツァ監督の映画の舞台となる「家」はほんとに素敵だ。そして彼を取り巻く人々や動物達も、例によってむちゃくちゃなのだけど、きらきらした生命力に溢れている。
多少の問題はあれど幸せに暮らしていたルカの生活は、やがて、ミロシュへと届いた徴兵令状によって、戦争へと巻き込まれていく。妻は家を出ていき、さらに悪いことにミロシュは敵方の捕虜となってしまう。そしてある日、失意の底にいたルカのもとに、サバーハという女性がミロシュと交換するための捕虜としてやってくるのだ。
映画の中では、まさに駆け抜けるといった勢いで、とにかくいろんな出来事が起こるのだけど、それでもやはり人々(と動物達)は自分の欲望に忠実に行動し、日々をそれなりに楽しんでいる。クストリッツァの映画では、そんな風に、人間と動物が同じ生き物として描かれていることが多いのだけど、今回は特にそれが分かりやすく重ねられていた気がした。ただ、生きていることを苦しいと思ってしまうところが人間の弱さでもあり、そこを乗り越える力となるのは、大切な人の存在だったりするのだ。
説明のつかない出来事や間抜けに思えるシーンもたくさんあるけども、それがとても愛らしく、人生ってそんなものだよなぁと思ってしまう。そして私もあんなふうに、臆面もなく行動して生きたいなと憧れてしまった。
猫と犬とロバの熱演が特に印象に残る。

銀座は滅多に行かないのでなかなか都合がつけられなかったんですが、銀座では26日までらしいということを映画館で知って、思いきってきて良かったなと思った。
公式サイト→ http://www.gaga.ne.jp/lifeismiracle/