ブロークン・フラワーズ

監督:ジム・ジャームッシュ
見にいってきました。新宿にて。
ビル・マーレイ演じる、女たらしの中年男、ドンの元に届いた一通の「ピンク色の手紙」が謎をよび、友人ウィンストンにのせられてかつての恋人たちを訪ねあるくというロードムービー
とにかくドンはずっと、見てるこっちが「しょうがないなぁ」といいたくなってしまう感じなのだけど、きちんと「たらし」の片鱗もある。でもなんか可笑しみもある。そんで、どうみてもよれよれなんだけど、あー、実際モテるでしょうとも思う。なんだろ、ほっとけない感か。
手紙の「謎」自体は、あれ冒頭のワンカットでネタばれしてると考えていいんだと思うんですけど、それでもなんか、浮き草みたいな自分の人生に気付いてどっか捕まりたくなっちゃう、みたいなラストシーンの「ぐるり」はこの物語で唯一(たぶんね)の切実さを伴った場面ともいえると思います。
しかしジム・ジャームッシュの特徴でもあるあのフェイドアウト/フェイドインで場面をつなぐやり方は眠気を誘うようで、会場からはいびきも聞こえてました。
個人的には、うーん、面白かったんだけど、ひと味足りない感じがした。総括する台詞がもしかして、ラストのあれだったのかと思うのですけど、それはちょっと、というかんじ。でもその「しょうもなさ」がこの映画かなぁとも思うのだけど。
ところで作品中で「ドン・ジョンストン? ほんとに?」と聞かれ「Tが入る」と答える場面が数度あったのだけど、あれどういう意味なんだろ?(←人気刑事ドラマ「マイアミ・バイス」の俳優と一字違いということらしい)