雨が降っていたので出かけるのをやめて、「機動警察パトレイバー劇場版」を見た。台風じゃないけど、こんな天気の日には、おあつらえむき。
- 出版社/メーカー: バンダイビジュアル
- 発売日: 2004/01/23
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…というのがおおまかなあらすじ。今でこそパソコンが普及し「コンピュータウィルス」による犯罪が作品のモチーフになることも珍しくなくなった。けれど、まだパソコンなんて持ってなかった頃と、今の印象を比べて見ても、物語の面白さはまったく損なわれるところがないし、それはやっぱり、題材の目新しさだけでなくて作品の世界観とモチーフががっちりかみ合っているということなんだと思う。シバさんの、OSインストールへのこだわりに納得できてしまうのも、自分の使う「道具」として機械をとらえる感覚が、今も昔もあまりかわっていないからなのかもしれない。それはレイバーについても同じなんじゃないかbな。原作者のゆうきまさみさんが何度も語られていることだけど、レイバーが「強くない」というのはほんとに大事なとこで、強くない、必殺技もない、というとこが、レイバーを身近なものに感じさせるし、ドラマと地続きにアクションを描くことができる理由でもあるのだと思った。
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はじめて見たのは、小学生か、中学生か、とにかくかなり昔なのだけど、それから何度もレンタルしたし特集上映とかスクリーンで見たこともある。でも何回見ても、やはり神田川周辺の再開発区域を探索する場面にはぐっとくるし、後藤さんは格好良いし、BABELの流れ出す瞬間にはぞくぞくする。零式の手が伸びる瞬間の、配線コードが露出する演出なんかもたまらないし、シバさんと遊馬がシミュレーションしてる場面とかは、私がハッカーものとかに弱くなった原因だと思う。つまり、この映画は、私がアニメを見るにあたっての趣味嗜好を決定づけた作品なんだよなーということを、再確認しながら見た。
今回見てて思ったのは黒沢清監督『叫』*1の視線と、この作品で描かれる都市への視線がとてもよく似てるということ。つまり帆場が赤い服の女に思えて、『叫』のラストシーンに納得しかけた。
あと、やっぱり後藤さんは「皇国の守護者」の新城にちょっと似てる。かみそり後藤。