AQUA/天野こずえ

Aqua 1 (BLADE COMICS)

Aqua 1 (BLADE COMICS)

かつて火星と呼ばれた星は、テラフォーミング後、水に覆われた星アクアとして親しまれている。そんな遠い未来を舞台に、水先案内人になるべくアクアにやってきた主人公と、そのまわりの人々の生活をのんびり描いた漫画。
「ARIA」を読んでみようかなと思って、まずこの前編を買ってみたんだけど、あちこちで「癒し系」とかいわれていたのが、なんとなく腑に落ちるお話だった。というのは別に皮肉ではなくて、画面から「気持ち良さ」がにじみでてくるようなこの雰囲気こそが、魅力なんだろうなって思えたからだ。
あと「ARIA」はよく「ヨコハマ買い出し紀行」と比較されてたりするのを目にしましたが、この「AQUA」を読む限り、設定はにているものの、雰囲気や背景は全く違うなーと思いました。
「ヨコハマ」が描いているのは、水没していく過程であり、この世の晩年だった。そして、それを見るものとして外側にいる(もしくはいた)アルファを描いていた。しかし、とりあえずこの「AQUA」の主人公はきちんと世界と関わっているし、世界はとりあえず安心だ。それはつまり、読む人がいる場所とは断絶しているということでもあるのだけど、このお話が向かっているのは、守られた世界観だからこそ描ける安心なんだよなと思う。
あと、気が向いたときにぱっと開いて読める感じが、どことなく、80年代っぽい。
Aqua 2 (BLADE COMICS)

Aqua 2 (BLADE COMICS)