どこがいいのか考えてない

昨日の朝、目が覚めたときに寒いと思わなかった。前の日の夜は雨が降っていて、団地の踊り場から頭をのぞかせた男の子と視線がすれちがう。濡れた路面が光り、その脇には誰もいないグラウンド、それを取り囲む緑の網越しにみえる深い青みたいな暗がりまで、ぐるっと迂回してあるく。最近光沢のあるダウンジャケット着てる人よく見る。帽子のとこにふさふさしたのついてる。私はまいにち同じコート着てる。奥の奥に小さな駅が見える。
そういえば寒いと、思わなかったような気がする。

朝には粒のおおきな光がたっぷりさしてて、寝ぼけたまんま、なんだか気持ちのいい朝じゃないですかと思った。こんな朝は、国道沿いのファミレスか、明るめの(つまり窓のある)喫茶店にでも行って、パンケーキ食べながらコーヒー飲んでたい。丁寧にバター塗って、メイプルシロップかけて、さんかくに切ってさ、二枚一緒に口に入れたい。コーヒーにはミルク入れてね。おかわり飲みながら窓の外見て、光が真っ白で、まぶしーなあなんて目を細めて、細めてるうちにいつのまにか、眠くなったりして、って想像してるうちに眠くなって、
あっという間にいつもの駅ついた。

仕事しながら、窓の外見てる。ビルの隙間から見える青が濃くなった。いい天気。どっか行きたい。どっか行くとちゅうにいたい。

どこまでもいくってのはどーだ
このまま電車でよ
知らない遠くのほうだ
とりあえず電車でよ
いこー いこー ダーリン
「電車でおでかけ」theピーズ


どこでもいいなら、うまくいく。