音と耳

麦茶飲みながら、ニュースつけて支度して弁当をつめて、家を出る前にイヤホン耳に突っ込んで、最初に聴く1曲選ぶのが最近の楽しみです。ささやか。
まあ、最近なのは麦茶だけなんだけど、こないだふと、こういうときに、頭の中でイメージしてる「音」って、きっと人によって 違うんだよなーとか思って、それってなんか不思議な気がした。

例えば、ギター、ベース、ドラム、キーボード、ボーカル、って編成のバンドだとして、曲全体を思い浮かべるとしたら、ボーカルのラインを追いかけてることが多いと思う。でも、例えばザゼンの「Himitsu Girl's Top Secret」みたいな曲を思い出そうとするとき、聴こえてくるのは言葉ではないのも面白い。

イメージするだけなら全体で聴こえる気がするのに、口ずさもうとすると(実際に声にださなくても)ひとつのラインしか思い出せないのが不思議だ。声は1音しかでないからかも、って思うけど、いくつもの音からすくって口に出す、「チャラララッジャージャーン」ってこの音はなんなんだろう。

ともかく、こんな曖昧な、とらえどころのない形で思い出されるってことは、音楽を聴く時、どのパートの音に耳が寄ってるかってのも、人によって違うんじゃないだろうか。個人的には触ったことがある楽器に近くなるような気がするけど、ラインが複雑だったりすると追いかけるところがあちこち飛んだりもする。で、追いかけてて特に気持ちいいあたりが、その曲で一番好きな部分になったりするんじゃないかな。ちなみに私がヒミツガールで一番好きなのは1分03秒あたりからの「チャッ」「ウッ」てなる一連の流れ。あと2分50秒のドラムが入るとこです。
でも、こういうのを口では再現できない*1のを考えると、目や耳が「受け取る」ものに近いのに対して、口で何か話すというのは、体を動かす事の方に近いんだなーとか今更思う。

好きな音、あんまり好きじゃない音、というのはいつの間にか出来ていて、その感覚はまるで食べ物の好みのようだ。同じ楽器でもこの味だったら好きとかわりと曖昧で、
だから結局は曲全体を聴いてみなければ好きかどうかはわからないんだけど、その元には、このような耳の追いかけ方があるんじゃないかと思うと面白い。視線の動きみたいに、耳の動きみたいなものを取り出して見ることができたらきっと、同じ曲でも人によって見え方がぜんぜん違うんじゃないだろうか。

あと

余談ですがザゼンは前「HARD RIQUOR」に入れてた移民の歌みたいなのを「RIFF MAN」でやったりとか曲の構成をあちこちいじってくのがライブでみる醍醐味だったりもします。気持ち悪いくらいかっこいいな。
http://www.youtube.com/watch?v=PCrTcnB9TRc
http://www.youtube.com/watch?v=swS-mZX-TLY
それから「cold beat」のドラムソロは何度見てもわくわくしすぎて宙に浮きそうだ…!
http://www.youtube.com/watch?v=OyY4FL7ztDE

*1:もしかしたらかなり近く出来る人もいるかもしれないけど