大雪の日

友人と深川に行く約束をしていた朝、目が覚めると雨が降っていた。前日「明日は天気が悪い」と教えてもらったのである程度は心構えができていたものの、その雨をみれば今日いっぱいは止む気がなさそうなのは一目瞭然で、布団の中から「どうする?」と連絡をしたら、じゃあ近場の神社でもいこうか、という話になった。
待ち合わせの時間には、雨はすっかり雪になっていた。初詣はもうしたし、わざわざ神社を目指す必要はなかったのだけど、なんとなくバスに乗って目的地でおりると、そこはまるで雪国だった。北海道出身の友人もそう言っていたのでほんとうに雪国みたいだったのだと思う。
つもりたての雪は足を下ろすたびにまとわりついて、すごく歩きにくい。「粉砂糖っぽいよね」「どっちかっていうと片栗粉じゃない」などと言い合い、顔を上げるたびに白くなっていく景色を前に、私たちはいったい何をしているのだろうという気持ちになった。あたりには私たち2人以外誰もいない。

結局お参りも早々に、近くにあった喫茶店で休憩し、ひたすらバスを待って帰ることにした。
やっとあたたかな駅につき、なんでこんなことになっちゃったんだろうねーと笑い合いながら別れたけれど、こんなに雪が降るとしっていたらきっと家からでなかっただろうし、あの前も後ろも音も真っ白に埋まってくような景色はなかなか見れないような気がしたので、まあいいかと思った。大雪の日。