2018年に見た舞台

髑髏城の七人 season月の千秋楽からもうすぐ1年が経ってしまいます。正直、思い出を反芻しているうちに1年経ってしまった感覚なのですが、それ以降も色々な舞台を見たので、記憶があるうちに簡単にでもメモしておこうと思いました。2019年は見たらすぐ書くぞ…。

2018年2月までの「髑髏城の七人 season月」についてのまとめはこちら。
ichinics.hatenadiary.com

2018年3月〜5月「修羅天魔〜髑髏城の七人season極〜」

www.tbs.co.jp
下弦の熱冷めやらぬ頃に見たので、ステアラのオープニングの回転が月と逆なことにショックを受けたのを覚えてます…。
極楽太夫に蘭兵衛と捨之介の役割までが合わさったような天海祐希演じる「極楽」はかっこよかったし、あの広い会場を一瞬で掴む視線の強さは生でみれてよかった。ただーうーん!?と思うところもなくはなく、特に古田さんがなんか疲れてる感じに見えてしまったのが心配だった。複数回観たけど動くのしんどそう…と思ってしまった。
一番好きだったのは猛突(原慎一郎さん)の歌のシーンでした。

3月「舞台 弱虫ペダル ザ・キングダム」

イレギュラーが私にとっての初2.5舞台で、それ以降ペダステだけは新作があるたびに見に行っています。「弱虫ペダル」という作品は小野田坂道という一見平凡なように見えて実は天才(自覚はない)である少年が主人公なんですけど、個人的には、もう一人の主人公は彼を自転車に誘う、一見完璧なように見えて脆いところもある、今泉くんなのではないかと思っています。なぜなら、物語を通してずっと成長が描かれているのは彼なんですよね。彼には本当に弱点が多い。今回のキングダムにおいても、彼が精神的なもろさを露呈してしまうある場面が描かれるわけですけど、それは「スカシ」なんて呼ばれてるのにその実ひどく思春期の青年である今泉くんの魅力でもあるわけで…とか考えながらとにかく楽しみました。
あと手嶋役の鯨井さんはほんとうにいい声ですごい。泉田役の河原田さんとともに新世代ペダステの精神的支柱でいてほしいです。

6月「舞台「刀剣乱舞」悲伝 結の目の不如帰」(ライビュ)

www.marv.jp
舞台刀剣乱舞(刀ステ)はずっとライビュでしかみれてないのですが、これは下弦後の鈴木拡樹さんが観れるというのもあってめちゃくちゃ期待して見に行きました。結果、鈴木天の余韻をまっったく感じない「三日月宗近」だったのが流石の鈴木拡樹さんでした。
映画刀剣乱舞もすごく良くて、鈴木さんの三日月はいくら見ても見飽きないんですが、やはり舞台と映像は違っていて、この時のことを思い出すと、まずやはり腰を落として踏み込む所作が毎回きれいだったな、と言うことが思い出されます。それから玉城裕規さん演じる小烏丸の体重を感じさせない存在感もすごかった…。
刀剣での推しキャラは光忠なんですけども、このお話では本丸のムードメーカー的な光忠が三日月を疑いつつも疑いたくはないと葛藤し、最終的には……というのがとても切なかったです。
物語としては私の好きなタイムリープものに近かったと思うのですが、千秋楽のライビュだけを見たのではその構図を十二分に味わえなかったっぽい、と言うところだけ残念でした。

7月「メタルマクベスdisc1」

www.tbs.co.jp
思えば2018年はステアラに捧げた一年でもあったんですよね…。と言うわけで極の次のステアラは「メタルマクベス」でした。
直前にゲキシネで初演版を見てから臨んだのですが、見てまず思ったのはステアラの使い方がこれにて完成した…!っていうことでした。冒頭シーンででかいモニターが立ち上がってきたところでもう5億点が出ていた。初演版ももちろんよかったのですが橋本さとし濱田めぐみとのランダムスター夫妻はとにかく初日から最強で、その上生演奏で、舞台でありライブでありアトラクションでもある…って感じのすごい舞台でした。カーテンコールで冠さんが嬉しそうに場内を見渡していたのがとても印象的でした。
ただ所々、私の中の倫理委員会みたいなのが発動してしまうところもあり、これは宮藤官九郎脚本との相性なのかな…と思ったりもした。(特にローマン関連)
千秋楽の日のアンコールのライブも最高に楽しかったな。橋本さとしさんが大好きになりました。

8月「スサノオと美琴〜古事記〜」

下弦後の廣瀬さんを見たくてチケットを取った1日限りの公演。
主人公の少年が古事記の世界に迷い込んで、スサノオと一緒に旅をする…と言う物語。
生オーケストラだし、有名な声楽家の方が出てたり、バレエがあったりと、なんだかすごく盛り沢山な舞台で、これが1日限り?何かの予算消化なのか?とか考えてしまうくらいとにかくお金がかかっていた気がする。そして著名な出演者が多いからか、旅をしながら出会うそれぞれのソロパートが積み重ねられていく構成になっていた。
……と色々謎だったことが印象に残っているのだけど、舞台はなかなかよかったと思う。お目当の廣瀬さんもとてもよかった。蘭兵衛とは全く違う、暴れん坊みたいな役なのも新鮮だったし、剣舞が観れたのもよかった。
よかったなと言う気持ちと謎だなと言う気持ちの間で狐につままれたような気持ちになった舞台でした。

8月「ミュージカル GHOST」

www.tohostage.com
私の推しの1人である秋元才加ちゃんと、月髑髏(上弦)で好きになった平間壮一さんが共演する…!ということで告知を聞いた時から楽しみにしていた舞台。とっっても良かったです。
少しずつ形を変えるセットの作りも面白く、登場人物の立ち位置が縦方向にばらけることで決して広くはない舞台上を効果的に使っていた。物語はサム(浦井健治)とモリー秋元才加)とカールの三角関係(恋愛的な意味でなく)を中心に描かれ、物語序盤でサムが「ゴースト」になるわけですが、亡くなってしまった恋人を思うモリーの、でも決して依存しているわけではない強さも良かったし、ゴーストになってなお前向きに感じるサムの陽性は浦井さんならではの魅力だった。特に良かったのは平間壮一さん演じるカール。罪を犯す人物なのだけど、日常の延長線上で落とし穴に落ちるようにして罪に転んでしまったという印象で、確実に自業自得ではあるのだけれど、だからこその切なさがあった。「あれは誤解だった」と歌う場面の表情の切なさが強烈に印象に残っています。できればもっと見たかった舞台…。

9月「メタルマクベスdisc2」

www.tbs.co.jp
disc1とどのくらい変わるのかな?と思っていましたが脚本は基本的に同じ。でも演者が違うとこんなに違うお話になるんだな…!という面白さは月髑髏的なところがあるかもしれません。
尾上松也大原櫻子という、disc1よりぐっと若いランダムスター夫妻で、ランダムスターが完全に夫人の尻に敷かれてる感が出てたのがよかったです。ただ、ランダムスターの友であるエクスプローラー役が岡本健一さんになったことで、この2人の関係性が謎になったdisc2でもありました。
あとメタルマクベスのメタル要素のかなりの部分を担っていた冠さんポジを若手演歌歌手徳永ゆうきさんが担当していたのも面白いdisc2でした。たまたまTVで徳永ゆうきさんがLemonを歌ってるのを見て、何このめちゃくちゃ歌が上手い人→メタマクに出てたじゃん!となったのも面白かった。

10月「カレフォン」

www.krph.jp
廣瀬さんの裸足がたくさんみれる舞台でした。廣瀬さんの役は幽霊なので、セットの中を白い服を着て歩き回ったり座ったりする…というシーンがかなりあったんですが、段差のあるセットなので、高さのあるところにしばらく座ってたりするんですよね。なので双眼鏡で見てると足の裏まで見えてしまって、いや…こんな、足の裏とかガン見しちゃだめ…と思ったりしたんですが休憩時間に「足の裏ばっかりみちゃった」って一緒にいった友人に話したら「わたしもww」って言ってたのでやはりあそこが見所だったと思います。
もちろん他にも見どころはありましたし役者さんは皆良かったと思うんですけど、少人数キャストでセリフ詰め込みで時系列が行ったり来たりするので、どこを描きたい話なのか、私にはよくわからなかったな…というのが正直なところです。

11月「メタルマクベスdisc3」

www.tbs.co.jp
3作の中では一番「わかりやすいメタルマクベス」だったと思う。
今回は浦井健治長澤まさみのランダムスター夫妻なんだけど、浦井さんが一番「綺麗は汚い ただし俺以外!」と思ってそうな調子に乗った感と尻に敷かれてる感のハイブリッドで、確かにこのランダムスターなら道を踏み外しそうだな〜、でも憎めないな〜、って納得できてしまうところがとても好きだった。
千秋楽の大はしゃぎも楽しくて、浦井さんは本当に新感線が好きなんだなってニコニコしてしまいました。

ただ「メタルマクベス」については、初演〜disc3まで見て、全てに共通するラストシーンが最後までしっくりこなかったなというのが正直なところです。具体的に言うと、グレコの「これが悪魔の右腕だ!」というセリフなんだけど、それまで特に右腕に注目するストーリーではないのと(メロイックサインのことかな?)、なぜそれをグレコが言うのか? というのに毎回引っかかってしまったんですよね。まあマクベスのラストがそうなのかもしれない→読んでない私が悪い、ってなるのでいつかマクベスを読まなくては…。

12月「日本の歴史」

www.siscompany.com
秋元才加ちゃんが出るということでFC先行から頑張ってみたにも関わらずチケットが取れなくて泣いていたところ、2枚取れてた友人が連れて行ってくれました。天使…。そしてこれが本当に素晴らしい舞台だった。世田谷パブリックシアターのこぢんまりとした真っ白な舞台上に楽器と大きな雲が浮かび、その下で7名のキャストがアメリカに渡ってきたある1家の歴史と、1700年に及ぶ日本の歴史に重ねて描き出していく。
7名のキャストが入れ替わり立ち替わり様々な歴史上の人物として現れる様子にはとてもワクワクしてしまったし、7名の魅力がフルに描き出されていて全員大好きになってしまった。
特に良かったのは、川平慈英さん演じる平徳子(清盛の娘)の悲哀と、中井貴一さんと香取慎吾さんが演じた頼朝と義経のくだりです。歴史物ってあまりみないけど頼朝が義経を拒絶しなければならなかった理由をああやって描くのはあまりみたことがなかった気がする。
川平慈英さんが歌う「なんとかならない時でも、なんとかなるもんさ〜」って歌を思い出すたびに元気が出る。東5ホール ぬ51a本当に創意工夫にあふれたチャーミングな舞台だったので、ぜひ円盤化して欲しいです。


2018年は多分これで全部だと思います。
特に好きだったのは(月髑髏はもちろんとして)ゴーストと日本の歴史。そう思える舞台に推しが出ているというのは本当に嬉しいことでした。
すでに忘れかけている部分があるので、今年こそは本当に素早く感想を書いておきたい…。