年末年始日記

2020年は12月25日が仕事納めだった。
クリスマスだし、その日は在宅勤務だったので、仕事を終えたらロイヤルホストでステーキを食べようと決め、昼も外出はせずに諸々の仕事を片付け、年賀状を書いたりもして業務を終えた。
外に出ると、意外にも人が多くて驚いた。クリスマスだからか、駅前にはワインなどを売るワゴンも出ているし、ケーキ屋にはちょっとした列ができている。こういう、どことなく浮き足立っているような空気はこの街に越してきてから初めて見たかもしれない。
私だって今日はロイヤルホストだもんね、と階段をかけあがり(最寄りのロイホはビルの2階にある)、ドアを開いて「1人で」と告げる。メニューに添えられたクリスマススペシャルの告知を見ると、ステーキにオニオングラタンスープにデザートまでついてくるので、せっかくだからこれにしようと決めてオーダー。越してきてからこのロイホには幾度かきているけれど、普段は1人客も多い中、今日はさすがに家族連れが多い。それぞれの食卓を聞くともなしに本を読みつつ、私のステーキが焼けるのを待つ。
と、ゆっくりしていたのはここまでで、いざ料理が届き始めると、湯気に急かされるようにして食べ続けてしまい、30分もしないうちに全ての料理を食べ終えてしまった。
せっかくのクリスマススペシャルをこんなあっさり食べ終わるのはもったいないような気もしたけれど、家で文鳥も待っていることだしとビールを買って帰宅した。

その翌日は、実家に置いたままになっていた自分の荷物を片付けに行った。
感染症対策でしばらく帰っていなかったけれど、単独で作業するだけなら大丈夫でしょう、ということで約8か月ぶりに実家を訪れた。
荷物は8割方本だった。長年実家に置きっ放しにしていたのだから文句をいう筋合いはないと覚悟して、全部処分していいよと言ったのは私なのだけど、やはりバイト代で買い集めた大島弓子選集だけはとっておきたい…と思ったら、時すでにおそしで処分されていたことには少なからずショックをうけた。(それでも弟は買い取り先に確認してくれた。やさしい)
意気消沈したまま仕分けていたので、仕分けを依頼されていた手紙や書類、雑誌類はあっさり捨てられた。大島弓子撰集に比べたら、どれも手放すことは簡単だった。
最終的に、仕分けに時間がかかりそうなものだけ持ち帰ることに決め、さらに「捨てる」予定の本の山からいくつか本を抜き出し弟に車で送ってもらう。
帰宅してから、面倒になる前にと腰を上げ、持ち帰った写真類を仕分けた。私はずっと、写真に写った自分をみるのが苦手だったのだけれど、こうして時間が経って見れば他人のようだった。懐かしい人が写っているものだけを残し、残りは処分する。

いい加減、持ちきれるものだけ持つべきなのだ、とは分かってはいるのだけど、大島弓子撰集を全て書い直すとしたら、という皮算用がやめられず、月1冊ずつでも買おうかなと思っている。

30日には、開店時に並ばないと食べられないという噂のパフェを食べに行った。店は歩いて行ける距離にあるのだけれど、何回行ってもすでにテイクアウトが2、3品残っているだけ…となっていたハードルの高いお店で、同じく気になっていたという近所の友人と、せっかくの休みだからとチャレンジすることにした。
列を作っていい時間まで時間を潰し、いざ店の前に行くといつの間にか十数人が並んでおり、オーダーをとってもらうまでにかなりの時間がかかった。店内は狭いため、最初にオーダーをとり、店内に入れる時間になったら電話が来るシステムなのだ。
おそらく食べられるのは3時間後くらいだろうと見当をつけ、昼ごはんを食べに行く。待っている間に足裏が冷え切ってしまい、うまく動かない感じがする。パフェへのハードルが高すぎるだろう…という気分になっていたけれど、いざパフェにたどり着けば、確かに耐えた甲斐のある素晴らしく丁寧なおいしさで感動した。
夜になってやはり足裏が痛いな…と見てみると、かかとにひび割れができていた。かかとがひび割れるのは始めてだ。慌ててクリームを塗りたくり、分厚い靴下を履いて保湿を心がける。

晦日は掃除をして、正月に向けて雑煮用の鶏肉を煮た。実家の雑煮は醤油、酒、砂糖で煮た鶏肉を、煮凝りごと鶏ガラスープに入れ、青菜と餅と食べるというものだ。
せっかくなので鶏ガラでスープもちゃんととる。
そして正月の朝、満を辞してお雑煮を食べた。ちゃんと実家の雑煮の味がして満足する。
1日は父の誕生日ということもあり、マスクをしたまま食事はせずに帰るということにして、実家に顔を出す。
玄関を開けた瞬間、妹がかつてコスプレで使っていたウィッグをかぶった甥っ子が登場して笑ってしまった。
幼稚園に通い始めた甥っ子は随分と語彙が増えており、明らかに両親から覚えたのではないような言葉も使うようになっていて「社会」を感じた。年長さんになったら、好きなお姉さんがいる組に入りたい(そのころお姉さんは卒園していることは理解していた)とも言っていてかわいかった。
甥っ子以外は全員マスクだったものの、久しぶりに顔を見て話ができてよかったなと思う。

そのほかの日も、映画を見たりゲームをしたりと至って正月休みらしい日々を過ごしつつ、日毎に増えていく感染者数に落ち着かない気持ちでもあった。
それは今も変わらない。仕事については、昨年から隔日出勤が続いており、肉体的には休めているはずなのに全然休んだ感じがせず、なんだか疲れているような気がする。

思い当たる理由は諸々あるけれど、主には移動をしないことによって体力が落ちているせいだろうなと思うので、今年はちゃんと運動をすることを目標にしたい。
などと言いつつ、年末に買ったフィットボクシングがなかなか習慣化できないまま1月が終わりそうなので、2月からはやる気を出したい。