衣替え、継承、めでたい日

10月7日

久しぶり(昨年秋ぶり)のワクチン接種を受けに行った日。
初めての会場だったのだけど、これまでの会場では流れ作業だったのが(それはそれで良いのですが)、今回は問診票に記載した服薬の記録を見て昨年の手術を察し、どちらの腕に打つのがよいかまで確認をしてくれて感動した。
私の場合はどちらでも問題がない状態ではあるのだけど、症例によっては術側に注射は避けるべきとされていることを、私も入院前に説明を受けて知っていた。そういったさまざまな可能性を気遣ってくれるということがありがたいなと思う。

昼食と買い物をすませて帰宅した後は衣替えに手をつける。
着ない服をごっそり捨てようと意気込んでいたのに、気に入っていない服ほど真新しく、気に入っていた服ほどいたんでもう捨てた方が良い感じなので悲しい。
最近はどんな服を着たいのか自分でもよくわからなくて、もっとちゃんと気に入った服を納得して着たい気持ちがある。


10月9日

願掛けに意味などないことはわかっているのに、好きな選手が打たれた日に来ていたTシャツを着なくなった、というようなことを書いた時に、ならばぜひこの短編を読むといいとおすすめしていただいた「小島」(小山田浩子)という短編集を読み終えた。
おすすめしていただいた短編は収録されている14作中の最後の方にあったため、しばらくは1日1本と読み進めていたのだけれど、どれもどこかですれ違ったことのある誰かの物語のようで、どれも興味深く読んだ。視点となる人物のほとんどが中年女性なのもよい。
しかしなによりおすすめいただいた「継承」がよかった。
この本には「継承」を含めて3作、広島カープを題材にした短編が収録されている。
以前読んだ「ディス・イズ・ザ・デイ」(津村記久子)のように、生活に溶け込んだスポーツの応援というものが描かれていて面白い。彼の地では、私の着なくなったTシャツと同じような、日常と地続きにある願掛けのようなものが、街の人々のそこここに意識されずともあるのだろうなと想像する。
正直なところ、そんなふうに地元の球団を応援するということに羨ましさも感じているのだけど、
しかしもう運命は分たれてしまったのだ。
今年は翻弄され続けていたけれど、来シーズンはもう少し整理して自分のみた野球というものを記録しておけるようにしたい。


10月10日

妹の子がついに産まれた。
9月末が予定日とされており、もしかしたら2週間くらい早く生まれるかもしれない、なんて話も聞いていたのだけど、なんだんかんだ2週間近く遅れての出産となったため、私を含む周りもずーっとそわそわし通しだったのだ。
母子共に健康との知らせにホッとして、LINEで送ってもらった写真を見てみんなでかわいいと言い合い、そのうち妹の返信が途絶えたのできっと疲労困憊で眠っているだろうと思った。
本当にお疲れ様でした。
ひとまず母と見舞いの日程を相談し、私は退院日の付き添いに行くこととなったので、ひたすらベビー服を見るなどする。もうすでに数着買ってはいるのですが、お祝いはいくらあってもいいですからね。
そんなわけで10月10日がめでたい日となった。