新井英樹にはまっている

新井英樹さんの漫画にはまっています。
最近いろいろ落ち込み気味だったのがこの年始にノックアウトを食らった感じでもう暫く立ち直れない…とか思ってた、というか思ってるんですけど、そういう時に新井さんの漫画はやたら沁みる。「キーチ」と「愛しのアイリーン」は簡単に手に入ったからいいんだけど「宮本から君へ」がなかなか。愛蔵版と単行本を織りまぜて9巻までは入手できたんだけど、その後が見つからなくてずっと探してる。
「宮本から君へ」はモーニングで連載されていた頃に(父親がモーニング買ってたので)読んでいて、アパート前の階段で無理矢理キスするシーンが子供心にやたら印象に残ってたのですが、改めて読むとめちゃめちゃ面白い漫画でした。その階段のシーンも、あーこういう流れだったかとか思いだして楽しい。完結まで読めたら感想書きます。
そんで「宮本から君へ」とか「ボーイズ・オン・ザ・ラン」とか読んでると聞きたくなるのがサンボマスターで、今読んでる伊坂幸太郎さんの新刊に、サンボマスターのボーカルの人みたいな人が出てくるんですけど、そんないろんな繋がりでサンボマスターの唯一持ってるアルバムを愛聴したりしています。
初めて聴いた時には、元気でるなーくらいで特に好きという訳ではなかったんだけど、良く聴いてみたら良かった。(なんだこの感想)

こんな離れた国の、こんな居酒屋で、学生がビールを飲みながらね、どこかで死んでる誰かのことをね、しょうがねえよなあ、とか言ってること自体が最悪ですよ。俺たちはね、何もできないにしても心を痛めて、戦争が一日でも早く終わるよう願うことすらしてないじゃないですか。せいぜい恥ずかしげに言うべきじゃないですか」と喚いた。「戦争を語る時は、もっと苦しそうな、悶えながらじゃないと駄目なんですよ」
伊坂幸太郎「砂漠」p206

これがサンボマスターのボーカルを彷佛とさせる登場人物、西嶋君の名演説であり、この台詞はなんだか新井英樹っぽくもあるなぁとか思ったりするわけです。そしてこんだけ言っておいて、見てみぬフリもしちゃう西嶋の矛盾が魅力的だと思った。(「砂漠」の感想は後日あらためて書きます)
とにかく、こう弱ってるときというのは漫画やら音楽やら本やらに逃避しつつ、そこからなんらかの元気をもらったりしてるんだなーと、そんな感じです。弱りすぎてて心の底から恥ずかしい。早く宮本の続きが読みたい。