DEMEKING完結版/いましろたかし

デメキング 完結版

デメキング 完結版

未完だった「DEMEKING」が、完結版になって復刻。
デメキング」は初めて読んだんだけど、すごいな。これが「ワールドイズマイン」や「20世紀少年」より前にあったんだなぁ。なんて思いながら読んでたら、巻末に浦沢直樹の解説があったから「おお!」ってなった。
未来で「デメキング」という怪獣に出会った主人公が、デメキングと戦うために、「今」を過ごすお話。海沿いの田舎町から、新宿の地下街へ。『ハーツ&マインズ』もそうだけど、いましろさんは時代の雰囲気を描写するのがとてもうまいと思う。ただ、描こうとしてるものが見えるのに、届かないのがとてももどかしいというか、それは力量というよりも、持ち前の文体にひきずられるというか、「デメキング」では、その筋を描こうとしながら、日常のディテールによっていってしまうところがある。巻末のインタビューでいましろさん自身は「失敗」といっているけれど、いましろさんはこれなのだ、とか思う。
たとえば、「だから自分のなかで「俺はストーリー物には興味がない」って解釈にして、『トコトコ節』をはじめたわけです」というインタビューよんで、そのあまりにも冷静な自己分析を読むと、本人には不本意かもしれないけれど、だから好きなんだけどなと思う。
隕石が落ちてくる様子と、草野球の試合が交互に描かれる回とか、このひとじゃなきゃ思い付かないよね。バイクのうえにスタッとたつやつとかもね。

感想

『トコトコ節』 → id:ichinics:20070214:p1
ラララ劇場』 → id:ichinics:20070330:p1
『ハーツ&マインズ+ザ☆ライトスタッフ』 → id:ichinics:20070118:p1