私の二週間

修理にだしていた携帯が戻ってきた。
画面がつかなくなっていたから、てっきり液晶が割れたと思っていたのだけど、店員さんの説明を聞くに、ディスプレイにつながる基盤みたいなものが初期不良だったとかいうことで、うやむやに、無償で修理してもらえた。
データも元通り。
ほっとするとともに、約二週間時間のとまっていた携帯をいじっていると、どこか不思議な気持ちにもなった。過ぎてしまった週末の予定、書きかけのメール、見にいくつもりでブックマークした映画、仕事でいくはずだった場所への乗り換え案内。
すべてもう終わってしまったことだし、そこから二週間分の記憶は、この携帯にはない。ついさっき目の前で消された代替機のデータが記憶だとしたら、私はいま、二週間遅れの場所に巻き戻っているんだなー、なんて妄想してみるものの、ま、携帯を自分の一部みたいに感じるのもしゃくだなと、すぐに思い直す。それでも、そんな気分になるくらいに、携帯は多くの情報のつまったものでもあるのだから、今後は落としたりしないよう、気をつけようと思います。この反省を忘れないようにしなくちゃね。

代替機のデータを消去する前、ここからうつすデータとかありますか? と店員さんに聞かれた。特にないけど、せっかくだしな、って移したたったひとつのデータを、私の失われた二週間の記憶のかわりに、のせとこうと思います。

代替機のデータフォルダにあった唯一の写真。