コメントいただいて考えたこと

killhiguchiさんのおっしゃる「年寄りのいない家庭で育った子どもは得てして自分のうちに年寄りが侵入するのをいやがる」というのは、実際に体験したことがないのですが、とにかく両親と自分の関係に、他者が深く入り込むことを嫌うようなところはあるかもしれません。
そういえば、私も幼い頃、弟や妹の出産で母が入院するたびに、祖母の家に預けられるのが嫌でたまらない時期がありました。その感覚はtkfmsさんの下さったコメントに、少し近いのかもしれません。嫌だ、という気持ちははっきりしていても、長女として、母のたいへんなときに、文句をいえる状況ではなかった。でも祖母の家は、まず見知らぬ家であるというだけで恐ろしく感じたものです。
ただ、昨日見た光景から感じたことは、私の視線がすでに「子ども」の側ではなく、宙に浮いているように感じられた、ということに近いです。
祖母をわけもなく恐れた気持ちは、たぶん昨日であった少女のそれと似ているのでしょう。ただ、それをぶつけられるというのは、その少女のおかれている状況(たんなる印象ですが、甘やかされているということ)との違いだと思います。
しかし、少女はきっと、自分の言葉を忘れるでしょう。しかし、祖母の側は、たとえ子どものいうこととはいえ、しばらくは思い返すのかもしれません。出来事というのは一瞬のものではなく、その後何度も反復されるものです。
私もかつてその少女の側にいて、でもいつかは祖母の側に立つのかもしれない。そのことを考え、だからこそ、あのおばあさんは、自分の言葉を理解しないかもしれない娘に向かって、あのようなことをいえるのだろうか。そんなことを考え、知るということは、切ないなと、思いました。
まあ、私も年をとったってことなんだと、思います…。