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 四畳半神話大系

四畳半神話大系 (角川文庫)

四畳半神話大系 (角川文庫)

アニメがとても面白かったので気になって原作を読んだら、アニメを見終わったばかりということもあり、ほぼフルボイスで脳内再生されるちょっと贅沢な読書になった。導入部分など、ほぼ一字一句そのままの脚本だったので、目で紙上の磁気を読み取るかのように、声が聞こえてくるような気がした。
それと同時に、ここに見えていないものを、あのように描くということのすごさをあらためて思い知った。アニメを見てしまった後なのでわからないけれど、私の頭の中だけではあのように楽しそうな光景は思い描けなかっただろう。物語、リズムを作ったのが原作だとしたら、それを下敷きに場所とキャラクターを立体にしたのがアニメ版だった、とか言いたくなる。原作にないエピソードもしっくりと馴染んでいたし、小津が五山デートしようとする回のあの見た目の楽しさも忘れられない。
この「四畳半神話大系」という物語は、好機とは目の前にぶら下がっているものだというお話だったと思う。その点でも、アニメ版でのもちぐまんの使い方はすばらしかったし、あれは映像だから出来ることだったのだと思う。冒頭の語りについても同様で、連続で聞いたら飽きるものの、1週間おきのテレビシリーズならそれは必要になる。ほんと、見事なアニメ化だったと思いました。

ともかく、好機は目の前にぶら下がっているというか、なんだって好機と思えば好機なわけですよ。どこで一時停止するかで、物事の見え方は変わる。なのでこれはうまくいかないとほうりだすのではなく、私はこれを注意深くやるしかないわけです。なーんてまとめるとちょっといい話風ですが、そんなことはおいておいて、私は猫ラーメンが食べたいです。
楽しかった。