日々雑記

 ノーミュージックノーライフの思い出

タワーが「ノーミュージックノーライフ」というキャッチを使い始めた当時のこと。 東京の片隅にある町のCD屋で、レコード磨いたり、レジ打ったり、検品発注品出し査定まとめてドン!な日々を送っていた私は、自分のこの生活もまた、ある意味音楽で飯をくうと…

 じっと手を見て目をそらす

最初に、わたしはわたしであってほかの人ではないのだ、ということに気付いたのは、いつのことだっただろうか。 残念ながら、私はその瞬間を明確には覚えていないのだけど、ただ、たしかに幼い頃の自分は、もっと曖昧で、いろんなものと混じりあっていた。 …

 固有性はどこに宿るか

固有性を愛するということについて、というkebabtaroさんのエントリ(http://d.hatena.ne.jp/./kebabtaro/20070831/p1)を読んでいて、ふと思い出したのが、人を完璧に複製する機械が仮にあったとして、その機械によって2人になった恋人○と●のどちらを本物…

 会話

たとえば、 A「私はこの本がすき」 B「どういうところが?」 A「これこれこういうところが」 B「私はそう思わないな」 というような会話があったとする。 仮に、Aの意見がBの思う〈好き〉とかけはなれていたとしても、Aがその本を好きだと思った気持ちはちゃ…

 知らないは見えない

数日前、アンテナからのぞいた、どこかのダイアリに「人が死ぬ話はかなしいにきまってる」って書いてあった。どちらで見たのか、わからなくなってしまったんだけど、ああそうか、かなしいに決まってるよなと、おもった。 でも、そのかなしさは平等じゃない。…

 「場」のイメージ(&25日追記)

先日(id:ichinics:20070614:p1)引用させていただいたsfllさんのエントリの続きで、図解をされているものがあげられていたのですが、それを読んで私は完全に「場」と「閉鎖系」にはじまるいろいろをごっちゃにして読んでいたことがわかりました。申し訳ない…

 「場」としての言葉

tokyocatさんの「年金の長いトンネルを抜けると選挙であった」という文章を読んで、そういえば春にいった言語学講座の感想を書いてなかったなと思い出した。というか、感想をかけるほどまだ理解できていないというほうが正しいのだけど。ひとつだけ、ものす…

 言葉、距離

「場」は観測行為に依って現れる、とするのが私の立場である。ふたつの「個」、AとBの間には、それぞれにとっての勾配がある。それが重なっているとは、私にはどうも思えない。「個」がふたりいれば、それぞれ別の関係性があるのではないか。 「偽装部 - ポ…

 「ゼロ年代の想像力」第1回を読んだ

S-Fマガジン 2007年 07月号 [雑誌]出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2007/05/25メディア: 雑誌 クリック: 4回この商品を含むブログ (23件) を見る先日はてブで知った記事「さて次の企画は - 95年エヴァンゲリオン文化圏の終わり−−知的な塹壕としての「ゼロ…

 夢だけど、夢じゃなかった

昨晩、いつもより早く眠ってしまったせいか、今朝は目覚ましより早く自然と目が開いて、目が開いているのに、夢の中の楽しい気分を引きずっていた。 それからばたばたと出勤し、会社のPCを立ち上げて、でもやっぱりねむいな、なんてあくびをかみ殺しながら、…

 喉元のことば

「伝えるべきことは伝えられるうちに伝えるべき相手に伝えればいいのに」と、ある人に言われたのがずっと頭に残っていて、それを心掛けたいと思っているのだけど、伝えたい気持ちをどうあらわすのかが、じつはいちばん難しいような気がしていて、伝えること…

 「私のどこが好き?」について

前にどこかで「私のどこが好き?」とかいう質問に答えるのは難しいとかそういうのを読んだ気がするのだけど(そしてそれはわりと定番のテーマなのかもだけど)、その質問に対してもっともしっくりくると思えた回答がこれだった。 親子の関係ももちろん“差異…

 世界を肯定する

「世界を肯定する哲学」がとても面白いです。もうちょっとで読み終わりそうなんだけど、思ったことを少し整理してみる。 まずこの本で繰り返し書かれていることは、言葉と思考/意識の間にあるものについて、だと思う。そこに近付こうとして押し返され、また…

 言葉で描く風景

「東京猫の散歩と昼寝」さんの「次のうち最も複雑なのはどれか A 自然 B 脳 C 映画 D コンピュータ」という文章を読んだ日、ちょうどうちの居間でも弟が「時をかける少女」のDVDを見ていたので、ここも同じ国だなぁ、なんて思いつつ。その文章の中で引用され…

 理由とルールの間

遅い夕食を食べながら、延々と流れる映像に見入っていた。私の後ろで、わけがわからないものはこわい、と言う母の言葉に軽く頷きながらも、でもどこか理解できない、とは言い切れないような気がしている。 チャンスは無数にあったはずだ、と彼は言う。でもそ…

 よくありたいと思うことの意味

目の前に、募金箱がある、そこには「アフガニスタンの人達は、4人家族で200円あれば1日暮らしていける」と書かれてある。 それでも、その文字が目に入りながらも、私はおやつを買うとする。 「G★RDIAS - 「本当は、できるでしょう?」の原初的風景」 それを…

 意識を産む

「空中スキップ」に収録されていた『産まれない世界』(id:ichinics:20070406:p2)が新鮮に感じられたのは、時代が途切れるということを、示唆していたことにあったと思う。 それでいろいろと想像していたら、ずっとまえに「人工知能に意識があるかないか判…

 何かをものすごく好きになるということ

昼ご飯にイングリッシュマフィンのトーストを食べながら、テレビ東京の「土曜イベントアワー 2007自給自足物語 冬の大地に生きる夢の家族SP」という番組を少しだけ見た。タイトルは今検索して調べたんだけど、ずいぶんと恣意的なタイトルだなぁと思う。けど…

 起承転結をほどいてみたい

もしかして、文章というのは起承転結から逃れられないのでは…? って考えはじめたら、落ち着かなくなった。ゲシュタルト崩壊しそうだ。例えば「春だ。春なので、どこかいこうと思ったけど、めんどくさくなった」という文の起承転結は、ブログなどで(たとえ…

 あの子はモモレンジャー

結局、今でも実写作品が好きなのは、「現実と区別がつかなくって素敵!」という一点につきると思う。現実とフィクションを冷静に区別をつけて生きるような大人にはなりたくないね。 「虫博士は西荻区長に立候補 - アニメ嫌い」 名言だと思う。とくに「現実と…

 歴史をかえてはならないという倫理

昨日の感想を書きながら、歴史を変える、ということについて考えていた。「過去に干渉してはならない」という倫理があるような気がするのはなぜかということ。そして、物語の中では、主人公にとってのよりよい今のために、歴史を書き換えるという行為を応援…

 道徳を教えるということ

政府の教育再生会議は29日の学校再生分科会(第1分科会)で、「道徳の時間」を国語や算数などと同じ「教科」に格上げし、「徳育」(仮称)とするよう提言する方針を決めた。「教科」になれば、児童・生徒の「道徳心」が通信簿など成績評価の対象になる可…

 私が「あなた」を好きな理由

よく「人は外見じゃない」なんて言ったりするけれど、それが真実であるなら、外見以外で、人をどう識別するのだろうか。 映画「絶対の愛」を見て感じたのは、人は見た目/表層によってしか、相手を識別できないのかもしれないということだ。ほんともう絶望的…

 「言葉」のお店

緩い言葉と、タイトな言葉があります、という漠然とした感覚がある。 「緩い言葉」とは、例えば「ゆるい」という言葉のもつイメージが、どのように受け取られるかある程度予測できて、なあなあで、それほどの齟齬も起きないだろうと感じているような状態のこ…

 私に関係のない前世

少し前、大学時代の友人たちと飲んでいた時に、今をときめくあの(あの人はなんなのだろうか、カテゴリはわからないけれど)スピリチャルでふくよかなおじさんのことになった。 ここで言うスピリチャルとは、鏡の法則(id:ichinics:20060705:p1)みたいなも…

 質問すること、されること

ある質問を向けられた時に、「それを疑問に思うこと」自体を問題視するのはおかしいと思う、というか私は好きじゃないのだけれど、「なぜそれを疑問に思うのか」が、解決につながることはある。そのふたつを混同しちゃいけないなと思った。 質問に対する答え…

 東京

新しい建物が建つって、昔はとても、わくわくすることだった。 隣の家、川向こうにできる団地、電車に乗らないと行けないところにできる、新しいデパート。 新社屋には屋上庭園を備えており、晴れた日には市民に解放。 この町でいちばんおおきい、何か。 新…

 続き/身体と脳

先日、飲んでる時に「身体が脳を作る」みたいなことを言っていた人がいた。 だから俺は身体を鍛える、みたいなことを言ってたので、そのへんはまあいいんですが、私はいつも考え事をする時「身体」という輪郭というか境界線のことについて、あんまり意識しな…

 認識する、という行動

shokou5さんからトラックバックいただいて、コメントで質問してみようかなと思ったのですが、まとまらないのでとりあえずここに書く。 とはいえ、私は、自分の考えていることが何の話なのかよくわかってない。もしかしたら、ごっちゃにするな、と怒られるよ…

 森達也×斎藤美奈子トークショウ@青山ブックセンター

森さんが話をしてるところを生で見てみたいなと思って行ってきた。 最後に、司会の(編集者の)人が「帰ってブログに記事を書くひとは〜」みたいなことを何かいっていて、それでも書くのってなんか申し訳ないというか、そういうことをわざわざいうんだ、って…